2004 Fiscal Year Annual Research Report
活性化ミクログリアの遊走・貪食におけるIba1とRacの機能解析
Project/Area Number |
15500276
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
今井 嘉紀 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20270689)
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Keywords | ミクログリア / 遊走 / 貧食 / Iba1 / Rac / フィンブリン / アクチン / 活性化 |
Research Abstract |
我々はミクログリア/マクロファージに特異的なカルシウム結合蛋白Iba1を見出し、Iba1が単量体G蛋白Racと協調的に機能し、ミクログリアの強い遊走能・貧食能の分子基盤をなしていることを明かにしてきた。さらに、Iba1結合蛋白としてアクチン束化蛋白フィンブリンを同定し、M-CSFで刺激下に形成される膜ラッフル、貧食時に形成されるファゴサイティックカップにIba1とフィンブリンが共存することを示した。また、Iba1がフィンブリンのアクチン束化能を増強することを明かとした。遊走・食食の原動力はアクチン細胞骨格の再構成であるが、以上の結果はIba1とフィンブリンの結合が細胞骨格の制御に重要であることを示唆する。 ミクログリアは種々の遺伝子導入試薬に対して強い抵抗性を示す。そのため、これまでは細胞の核に直接遺伝子をマイクロインジェクションすることにより、機能解析を行ってきた。この方法では遺伝子導入可能な細胞数が限られるために、生化学的解析を行うのに必要な細胞数を得るのが困難であった。そこで、近年注目されているProtein Transduction Domain(PTD)を活用し、ミクログリアへの蛋白導入を試みた。PTDとしては高効率と報告される11R(アルギニン11個からなるオリゴマー)を試みた。11R-GFP融合蛋白を大腸菌に発現させたところ蛋白は不溶性化し、GFPの蛍光も得られなかった。そこで、11R-GFPを愛媛大学で開発された無細胞蛋白合成装置を用いて合成したところ、11R-GFP、は可溶性画分に発現され、GFPの蛍光シグナルも得られた。さらに合成蛋白をミクログリア培養液中に添加したところ、蛋白は蛍光を保ったままほぼ100%の細胞に取り込まれた。ミクログリアに高効率に蛋白導入できることは画期的なことであり、今後このシステムを活用してシグナル解析を進めていく予定である。
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Research Products
(5 results)