2003 Fiscal Year Annual Research Report
網膜A2アマクリン細胞におけるNaチャネルの局在とその機能的意義
Project/Area Number |
15500289
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 修一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60138120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中平 健祐 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10260043)
有田 和恵 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80212645)
田丸 文信 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70337541)
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Keywords | 網膜 / アマクリン細胞 / イオンチャネル / 視覚 / 神経回路網 / 杆体経路 / パッチクランプ法 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
A2(AII)アマクリン細胞は、光情報を杆体入力型双極細胞から錐体入力型双極細胞に伝える。AIIアマクリン細胞は電位依存性Na電流をもち、振幅10mV程度の活動電位を発生することが報告されている。本年度は(1)Naチャネルの細胞内局在、(2)活動電位の役割(これは次年度以降も継続する)、の解明を目標として研究を遂行し、以下のことが明らかになった。 (1)AIIアマクリン細胞の活動電位の特性とNa電流の細胞内局在(分担:田丸):マウス網膜スライス標本にホールセルパッチクランプ法を適用し、記録電極から電流注入して活動電位を発生させると、発生頻度は電流注入量に依存して増加した。また、AIIアマクリン細胞に杆体入力型双極細胞の伝達物質(グルタミン酸)を投与すると、活動電位の発生頻度が濃度に依存して増加した。AIIアマクリン細胞内でグルタミン酸感受性が高い部分は形態学的に杆体入力型双極細胞のシナプスを受けることが報告されている樹状突起先端部分であること分かった。さらに、杆体入力型双極細胞の樹状突起にグルタミン酸を投与すると、予想されるようにAIIアマクリン細胞へのシナプス入力が減少し、活動電位発生が抑制された。以上のことから、AIIアマクリン細胞の活動電位が光刺激強度をコードしていることが示唆される。また、Naチャネル阻害剤であるテトロドトキシンを局所投与した結果、細胞体近傍でNa電流密度が高いことが示唆された。 (2)Naチャネルの免疫組織染色(分担:有田・中平):ラット網膜切片でAIIアマクリン細胞とNaチャネルの二重染色を行った(ラットAIIアマクリン細胞は抗parvalbumin抗体陽性)。AIIアマクリン細胞は抗Naチャネル抗体に対して内網状層と同程度の弱い染色反応しか示さなかった。今後、Naチャネルのサブタイプに対する抗体等を用いてさらに検討する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tamalu F, Nakahira K, Watanabe S-I: "Role of signal in signal processing of retinal AII amacrine cells"Japanese Journal of Physiology. Supplement(in press). (2004)
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[Publications] Arita K, Nakahira K, Watanabe S-I: "Voltage-dependent Na^+ channel immunoreactive processes in the inner plexiform layer of the retina"Japanese Journal of Physiology. Supplement(in press). (2004)