2004 Fiscal Year Annual Research Report
網膜アマクリン細胞におけるNaチャネルの局在とその機能的意義
Project/Area Number |
15500289
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 修一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60138120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田丸 文信 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70337541)
有田 和恵 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80212645)
中平 健祐 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10260043)
金子 優子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60342771)
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Keywords | 網膜 / AIIアマクリン細胞 / 活動電位 / 電位依存性Naチャネル / メッセンジャーRNA / グルタミン酸 / 局在 / parvalbumin |
Research Abstract |
AII(A2)アマクリン細胞(AII細胞)は、光情報を杆体入力型双極細胞から錐体入力型双極細胞に伝える。AII細胞は電位依存性Na電流をもち、振幅10mV程度の活動電位を発生することが報告されている。本年度は(1)AII細胞の活動電位の特性の詳細な解析、(2)Na電流の細胞内局在の解析、を行った。 (1)(田丸、渡辺)AII細胞が発生する活動電位の頻度は光強度の情報をコードしていることが以下の実験結果から示唆された。活動電位の頻度は、1)杆体入力型双極細胞の樹状突起部分に投与したグルタミン酸(視細胞の伝達物質)の濃度に依存して抑制された、2)AII細胞の樹状突起部分に投与したグルタミン酸(杆体入力型双極細胞の伝達物質)濃度に依存した、3)AII細胞の膜電位に依存した(細胞内電流注入実験)。(2)1)(田丸)AII細胞の種々の部分にNaチャネル阻害剤であるテトロドトキシン(TTX)を投与した。電位依存性Na電流はTTXを細胞体付近に投与したときに最も強く抑制されたのでNaチャネルは細胞体付近に局在していることが示唆された。2)(有田、中平)AII細胞のマーカーであるparvalbuminに対する抗体と抗Naチャネル抗体の二重染色を行った。AII細胞は複数種の抗Naチャネル抗体に対していずれも陽性反応を示さなかった。したがって、AII細胞のNaチャネルは密度が低い、あるいはサブユニットが網膜神経節細胞などが持つNaチャネルとは異なる、と考えられる。3)(金子)前項の結果からAII細胞で発現しているNaチャネルのメッセンジャーRNAを同定することにした。単一AII細胞をパッチ電極によって得る方法は確立しており、現在準備段階にある。 平成17年度は、免疫組織学的、分子生物学的手法による実験を進め、上記の未解明項目を明らかにする。
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