2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚性幹(ES)細胞の遺伝学的・微生物学的品質管理システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
15500304
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
後藤 一雄 (財)実験動物中央研究所, 実験動物研究部, 室長 (00205593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外丸 祐介 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助教授 (90309352)
菅原 綾子 (財)実験動物中央研究所, 遺伝研究室, 研究員 (30390743)
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Keywords | 染色体 / 転座 / ロバートソン型転座 / ES細胞 / trisomy |
Research Abstract |
これまでの研究から、マウス由来病原体によって汚染されているマウス胚性幹(ES)細胞はほとんど存在しないこと、わが国で用いられているES細胞のうち1割程度に染色体数の異常が見られ、産子の作出に支障をきたしていることが示された。平成17年度は染色体異常についてさらに解析を進め、染色体数のみならずその核型に着目した分析を行った。用いた細胞は2001〜2004年度の4年間に染色体数分析を行った20施設由来の540株で、無作為に選んだ92株について核型分析を行った。このうち4株にNo.8染色体由来の同腕染色体(i(8))含む複雑な核型異常を見出した。本HS細胞株はFeeder細胞を用いる標準的な培養方法で数日間培養後に、染色体標本を作製した。核型分析にはHoechst 33258とQuinacrine mustardの二重染色によるQ-band法を用いた。i(8)が見出された4つのES細胞株の染色体モード数は、42が2株、41と43がそれぞれ1株であった。i(8)をもつ細胞では、No.8のtetrasomyまたはtrisomyが形成されていた。さらに、No.1とNo.14のtrisomyが多発しており、41のモード数をもつ株ではNo.1とNo.14のロバートソン型転座がみられ、その結果No.1とNo.14がtrisomyとなっている。この4株の他に核型分析した92株のうち34株に核型異常がみられ、そのうち30株にNo.8のtrisomyが含まれていた。これらの結果からES細胞使用に際しては、染色体数のみならず、核型についても調べる必要性が示された。
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Research Products
(2 results)