2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500319
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉川 隆章 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90275347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 義典 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40094578)
川手 健次 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70275329)
大村 哲司 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20332968)
植田 百合人 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (70203453)
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Keywords | bone / marrow / skin / regeneration / therapy / estriol / dexamethasone |
Research Abstract |
腸骨より採取した骨髄液を培養すると、培養皿底面に付着し、培養増殖される間葉系細胞を得ることができる。この細胞には、幹細胞や組織を再生する細胞が多数含まれる。まず、この間葉系細胞を増殖因子として、女性ホルモンであるエストリオールが有効であることを発見した。約10(7)M濃度で、培養液に付加することで、約50%間葉系細胞が増殖することが確認された。このエストリオールで活性化された間葉系細胞を使用することにより、皮膚や骨の再生治療を迅速かつ有効に行うことができる。皮膚の再生治療においては、26症例の治療経験が増加した。糖尿病や動脈硬化症を伴う症例では、従来の皮弁術では、血流の保持が困難なため、高度の技術を要する。また術後のヘパリンなどの抗血栓剤投与は臓器出血危険性を高め高齢者や全身疾患を持つ患者への生命リスクが高くなり好ましくない。褥瘡の治療においても、高齢者や寝たきりの患者が多く、皮弁術など、おおきな手術は、体への負担が大きく好ましくない。しかし、骨髄間葉系細胞移植することにより、少ない傷、痛み、侵襲で、治療が可能で、良質な医療技術と注目されることが、明らかとなってきた。骨再生治療においても、エストリオール添加と間葉系細胞に重層化により、より活性の高い培養骨の作製が可能となった。現在まで、35症例まで治療経験が増加、人工関節、骨折後の治癒不良、脊椎固定術など骨疾患に有効であった。すべての症例に有効であった。自家骨を犠牲にすることなく骨再生治療が可能であるため、術後の強い採骨部の落痛を回避できる有用な治療であることが証明された。最近では、自家移植だけでなく、同種間移植や椎間板の再生治療への発展しつつある。
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Research Products
(6 results)