2005 Fiscal Year Annual Research Report
筋収縮過程の非線形特性を考慮したニューロマスキュラーシステムのモデリング
Project/Area Number |
15500336
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 正美 鈴鹿工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (30149934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 陽次郎 鈴鹿工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (20163701)
伊藤 明 鈴鹿工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助教授 (40259883)
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Keywords | 脊椎動物 / 運動制御系 / 筋収縮 / 力発生モデル / 筋小胞体モデル / モデリング / 上腕二頭筋 / 筋電位 / シミュレーション |
Research Abstract |
脊椎動物の運動制御系(ニューロマスキュラーシステム)のモデル化を最終目的として、入力を活動電位、出力を力とする筋収縮/力発生過程モデルを作成し、それを用いた力発生に関するシミュレーション結果とヒト上腕二頭筋を対象とした実験結果を比較することによりモデルの妥当性を検証した。平成17年度に得られた結果と成果は以下のとおりである。 (1)4名の被験者の上腕二頭筋を対象として、5種類の力発生実験(等尺性最大張力の発生実験、最大張力の50%の力発生実験、急激で単発的な力の発生実験、急激で単発的な力の弛緩実験、単発的な力発生の繰返し実験)を行い、同時に表面筋電位の測定実験を行った。各被験者及びそれぞれの実験におけるデータの繰返し精度は良好であり、後述のシミュレーション実験結果との比較に十分適用可能であることがわかった。また、得られた筋電位の実測データに「log変換」を施すことにより、筋電位の強さと発生張力の間に比較的良好な線形関係が得られることを確認した。 (2)筋収縮/力発生過程のうち、未完成であった筋小胞体モデルとして、入力を活動電位、出力をCa^<++>濃度とするシステムを「インパルス応答関数のたたみ込み積分」で表すことによって、従来からよく知られている筋の「単縮」「強縮」現象を定性的にも定量的にも適切に表現することができた。 (3)上記(2)の筋小胞体モデルを、すでに確立しているモータモデル(クロスブリッジサイクリング機構+サルコメアの力学モデル)に接続し、入力を活動電位、出力を力とする筋収縮/力発生過程モデルを完成させ、そのシステムモデルに対して上記(1)で得られた筋電位実測データを入力し、その系の出力としての力の時間変化をシミュレーションにより求め、その結果を上記5種類の力発生実験の結果と比較したところ、力の変化過程に関して両者はよく一致することを確認した。すなわち、本筋収縮課程モデルは筋の速い収縮運動のシミュレーションに対しても十分有効であることを確認した。
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Research Products
(3 results)