2005 Fiscal Year Annual Research Report
心臓血管病の危険因子としての頸動脈ステイツフネスの男女差の研究
Project/Area Number |
15500348
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
常 徳華 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10343550)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁木 清美 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40218095)
梶本 克也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70277200)
谷本 京美 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50227237)
菅原 基晃 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60010914)
|
Keywords | 血管スティッフネス・パラメータ / 動脈硬化 / 男女差 / 超音波計測 / 頚動脈 / エコー・トラッキング |
Research Abstract |
動脈のスティッフネスは、心血管病の危険因子と考えられている。これまでに、動脈スティッフネスと年齢の関係の男女差の報告はいくつかある。しかし、男女差についての結論は確定的ではない。男女差は、信頼できる方法によっていろいろなグループを対象として、動脈のスティッフネスを測定し検討すべきである。血管の硬さの指標としてよく用いられるのは次の二つである。圧力-ひずみ弾性係数Ep=(Ps-Pd)/[(Ds-Dd)/Dd]、スティッフネス・パラメータβ=ln(Ps/Pd)/[(Ds-Dd)/Dd]。 ここで、Ps及びPdは最高及び最低血圧、Ds及びDdは拍動している血管の最大径及び最小径であり、lnは自然対数を表す記号である。Epは血圧に依存するが、βは血圧に依存しないと考えられている。 アロカ社製SSD6500超音波測定システムを用いて、健常者175名(男性99、女性76、年齢20-77歳)の圧力-ひずみ弾性係数Epと血管スティッフネス・パラメータβを測定し、加齢に伴う動脈硬化の進行の男女差を検討した。βは年齢に対して良い線形回帰を示した。βの回帰直線の傾きもY軸切片も男女間に有意差はなかった。Epは年齢に対して良い線形回帰を示した。回帰直線の傾きに男女間の有意差はなかったが、Epの回帰直線のY軸切片は男性群の方が有意に大きかった。50歳未満と50歳以上の群に分けて、Epの男女差を調べた。50歳未満の群では、女性の方が有意にEpが低いが、50歳以上の群では、男女差はなかった。一方、血圧に依存しないβは、50歳未満の群でも、50歳以上の群でも、男女差はなかった。我々の研究により、血管の材質としての硬さには男女差はなかったが、動作状態、つまり血圧の差により、みかけ上の硬さに男女差が見られたと結論できる。
|
Research Products
(4 results)