2004 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍に対する化学療法と電磁波を併用した新しい治療システムの確立
Project/Area Number |
15500354
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
入江 豊 福岡大学, 医学部, 助手 (80352235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 講師 (40271605)
小川 皓一 福岡大学, 医学部, 助教授 (60078780)
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Keywords | 電磁波 / 癌細胞 / 制癌剤 / 増殖能 / 治療システム |
Research Abstract |
悪性腫瘍の治療における化学療法の効果は広く認められているが、その効果は未だ充分とは言えない。使用可能な制癌剤の数に限りがあり、かつ各制癌剤特有の危険因子があるため、それらの投与には自ずと制限があるのが現状である。本研究の目的は、現在悪性骨軟部腫瘍で実際に使用されている制癌剤の効果を電磁波によって増強させる安全な治療システムの確立および新しい電磁エネルギー感受性薬物の発見にある。昨年度と同様、研究は装置の性能の測定および現象の検知を第一目標とした。実験)材料:昨年はGlioma Cell lineの1系列の肉腫培養株を材料として使用したが、より単純で、扱いが簡単な兎の赤血球を使用し、赤血球膜に対する電磁波の各種制癌剤増強効果の確認した。1)赤血球に各種の制癌剤(ポルフィマーナトリウム、ATX-S10)の単剤を投与し、電磁波をかけたものとかけないものとで比較した。また、電磁波の照射時間と量とを変え、最大効果をあげる電磁エネルギー照射の最少時間と最少量とを決定した。2)効果判定:赤血球の溶血率、赤血球数、温度上昇の測定。(結果)peak to peak 100ボルトで1MHz(1分から10分間)で電磁波を培養細胞へ照射したが、コントロール群と増殖能の違いは認められなかった。同様に各制癌剤を併用した群では同条件では影響は認められなかった。今後は電磁場の強度をさらに強力なものを使用する。来年度はテスラーコイルで電磁場を発生させ、他の制癌剤の濃度及び種類を検討する必要がある。
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