2004 Fiscal Year Annual Research Report
コラゲナーゼ注入脳内出血モデルの自然経過および運動療法の効果に関する研究
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15500360
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石田 和人 名古屋大学, 医学部, 助手 (10303653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪田 邦雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (10115529)
小林 邦彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (30001051)
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Keywords | 脳出血モデル / 運動機能 / トレッドミル運動 / 大脳皮質 / 皮質脊髄路 / Fluoro-Gold / リハビリテーション / 運動療法 |
Research Abstract |
1.トレッドミル運動による運動機能改善効果の検討 脳出血モデルにトレッドミルによる運動訓練を実施し、運動機能の改善効果を調べた。速度9m/minで、出血後4〜14日目まで毎日30分間行い、運動負荷の期間による影響を調べるために、トレッドミル運動を1週間延長し、出血後4〜21日目まで行う群と比較した。出血1週間後、有意な改善を示し、特に前肢把握において大きな改善効果がみられた。しかし、運動期間の長短で差はなかった。また、術後4〜14日までのトレッドミル運動を、4〜14日まで9m/minで行う群と、4〜7日までは9m/min、8〜14日まで13m/minと速度を増加する群とで比較したところ、速度を増すことで、より改善傾向を示したが、統計的な有意さは認めなかった。 2.トレッドミル運動効果の組織学的検討 ニッスル染色像では、脳実質の空洞化、脳室の拡大、大脳皮質の萎縮がみられたが、特に線条体の残存面積は、トレッドミル運動の有無に無関係であった。しかし、大脳皮質の厚さは、運動前野/補足運動野,前肢および後肢に関連する一次運動野/体性感覚運動野の3領域で、健常側の7割程度に薄くなっていた。また、トレッドミル運動を実施すると、運動前野/補足運動野で萎縮抑制効果を認めた。しかし、前肢および後肢に関連する一次運動野/体性感覚運動野では認められなかった。 逆行性トレーサー(Fluoro-Gold)を用いて,皮質脊髄路の障害を解析すると、出血側で、標識錐体細胞が健常側に比べ、非常に少なくなっていた。特にブレグマより前方では,標識細胞がほとんど認められなかった。またトレッドミル運動を行っても数に差はなかった。しかし、運動を行った場合、Fluoro-Goldの取り込みが強く、樹状突起が明瞭に観察できるものもあった。
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