2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳血栓片麻痺モデルラットを用いた麻痺回復効果に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
15500367
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
池田 聡 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00343369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 輝 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40347109)
田中 信行 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (40041454)
中河 志朗 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70073666)
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Keywords | 脳卒中 / 機能再構築 / 神経栄養因子 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究は、中枢神経障害のリハビリテーションにおける中心的メカニズムと考えられる中枢神経の可塑性と種々の刺激との関連を検討し、中枢神経障害の回復過程と回復促進の要因を明らかにしようとするものである。脳卒中などの中枢神経障害の回復に関するメカニズムとして、病巣の改善のみでなく中枢神経の可塑性が大きな役割を果たしていることが明らかにされてきた。Kaasらは脳の大脳皮質損傷後残存している皮質の機能再構築により失った機能を獲得していることを報告した。Nudoらは猿の大脳皮質運動野損傷による麻痺が、麻痺した手指運動の反復により運動野における手指支配領域の拡大を伴って回復することを示している。池田らは、脊髄損傷モデルを用い、大脳運動皮質の転写因子活性が受傷直後から生じていることを報告した。しかし、どのような刺激がより有効であるかについての研究はなされていない。本研究は中枢神経障害の回復促進を促す刺激の性状を明らかにし、脳卒中や脊髄損傷などの中枢神経障害のリハビリテーションの効率化を促すものである。 昨年度は、ラットの脳梗塞モデルとして光感受性色素ローズベンガルを用い運動皮質に560nmの光線を照射することにより脳梗塞片麻痺モデルを作成した。この脳梗塞片麻痺ラットの麻痺を評価するため、Beam Walking Testを用い麻痺の回復過程、神経栄養因子などの発現を検討し、麻痺の回復過程で神経栄養因子GDNFの発現が有意に増加していることが判った。本年度は、GDNFが増加している期間に、麻痺の回復を促進するリハビリテーションアプローチ行い、回復促進効果について検討を行った。この結果、リハビリテーションアプローチは麻痺の回復を促進することが確認され、単純な運動より適切な動作を反復して訓練した方が機能回復をより促すことが見出された。
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Research Products
(3 results)