2004 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経疾患による手指感覚障害回復訓練・検査システムの開発とその臨床応用
Project/Area Number |
15500370
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
辻尾 昇三 鹿児島大学, 工学部, 教授 (40081252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信行 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40041454)
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20117493)
余 永 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20284903)
林 良太 鹿児島大学, 工学部, 講師 (40288949)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30325782)
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Keywords | リハビリテーション医学 / 脳卒中 / 手指感覚障害 / 手指振動覚障害 / 手指触覚障害 / 刺激識別閾値 / 検査・訓練システム / リハビリテーション工学 |
Research Abstract |
脳卒中患者などの中枢神経疾患による手指感覚障害は、それ自体ADL、QOLにとって重要であるばかりでなく、上肢の運動機能および運動能力の回復に大きく影響する。しかし、手指感覚障害を回復させるための系統立った治療手段の検討は非常に少ない。本研究では、手指の触覚(表在感覚)と振動覚(深部感覚)を取り上げ、刺激識別訓練を頻回に繰り返すことができる訓練・検査システムの開発を行なった。本システムは、手指の感覚障害回復訓練の過程を記録して、これを定量的に評価する機能を持つところに特徴がある。 訓練・検査システムは鹿児島大学病院霧島リハビリテーションセンターに設置して、訓練・検査内容の説明を行い、同意を得た健常者および患者に対して刺激識別訓練・検査を行い、以下の知見を得た。 1.健常者および患者の手指感覚刺激識別測定と識別閾値の再現性確認 本システムで自動的に得られる刺激識別閾値の再現性を評価するために、練習効果の除外を目的として24時間以上の期間を置いて、2回の検査を行った。2回の検査間の刺激識別閾値の相関は、接触覚では0.905、振動覚では0.784と高く、十分な再現性のあることが判明した。 2.2週間の訓練の前後で検査を行った結果、訓練による刺激識別閾値の改善傾向が見られ、本訓練システムの有用性が確認された。 3.本装置は、刺激識別閾値前後の感覚刺激を頻回に与えることができるので、効果的な訓練が期待できる。 4.触覚訓練による振動覚刺激識別閾値の改善、逆に振動覚訓練による触覚刺激識別閾値の改善については興味ある課題であるが、判定できるだけの充分なデータが得られなかった。
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Research Products
(3 results)