2005 Fiscal Year Annual Research Report
運動障害者におけるインスリン抵抗性の改善に対する全身持久力訓練の効果に関する検討
Project/Area Number |
15500380
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
間嶋 満 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70165702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧田 茂 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (40316708)
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Keywords | 運動障害 / インスリン抵抗性 / 75グラム糖負荷試験 / IRI-120 / 高インスリン血症 |
Research Abstract |
目的: 平成15年度には,運動障害者に対して通常施行されるリハビリテーションプログラムによる身体活動量は,インスリン抵抗性の改善をもたらさないことを報告した,平成16年度には,ATレベルでの全身持久力訓練が,3-4週間という短期間でもインスリン抵抗性の改善をもたらすことを報告した.今年度の目的は,運動障害者におけるインスリン抵抗が長期の経過の中でいかに変化するか,そしてその変化に影響を与える因子は何かを検討することである. 対象と方法: 1.対象は本研究が開始された平成15年4月からインスリン抵抗性の有無を検討した運動障害者31例の中で,6ヶ月以上経過観察が可能であった11例で,全例が男性であった. 2.運動障害の原因疾患は,脳梗塞5例,脳出血5例,頸髄障害1例であった.対象例の年齢は61.8歳,発病・受傷からインスリン抵抗性の評価までの期間は1.9ヶ月,追跡期間は16.8ヶ月であった. 3.インスリン抵抗性の評価は,75グラム糖負荷試験(750GTT)における糖負荷後120分での血中インスリン濃度(IRI-120)を用いて行い,IRI-120が64μU/m以上をインスリン抵抗性有りと判定した.追跡期間中にインスリン抵抗性有りが無しに変化した例を改善例,インスリン抵抗性無しが有りに変化した例を増悪例,インスリン抵抗性の状態に変化がなかった例を不変例とし,改善または増悪に影響した因子を検討した. 4.インスリン抵抗性の初回評価時の判定では,対象例11例中10例がインスリン抵抗性有りであった. 5.経過中に2例が改善,1例が増悪を示した.改善例では,両者ともに経過中に肥満度と750GTTでの血糖のパターンがともに正常化した.これに対して,増悪例では肥満度に改善なく,耐糖能低下が生じた. 6.運動障害者のインスリン抵抗性の改善や増悪には,肥満度や耐糖能が関与していることが示唆された.
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Research Products
(2 results)