2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中片麻痺患者の麻痺側下肢に対するペダリング運動の効果
Project/Area Number |
15500385
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
里宇 明元 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60146701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正門 由久 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (10173733)
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Keywords | 脳卒中 / 片麻痺 / 痙縮 / 筋再教育 / ペダリング |
Research Abstract |
両脚交互運動のモデルとして注目されているペダリング運動が、脳卒中片麻痺患者において、麻痺側下肢筋活動の促通と選択的・相的な活性化に有効であるという仮説を検証するために、平成16年度は以下の研究を行った。 1.ペダリング前後の電気生理学的評価:脳卒中片麻痺患者5名を対象に、StrengthErgo240(三菱電機社製)を用いて5Nmの負荷で7分間ペダリング運動を行い、前後で麻痺側ヒラメ筋よりH波、M波を誘発した。さらに、運動前後の歩行中の両下肢筋活動を表面筋電にて記録した。その結果、H波最大振幅(Hmax)/M波最大振幅(Mmax)が大きい症例や臨床的に筋緊張が高い症例では、ペダリングにより、著明にHmax/Mmaxが減少した。また、立脚期を中心に麻痺側大腿四頭筋筋活動が促通される傾向がみられ、ペダリング運動の効果が示唆された。 2.ランダム化比較試験(RCT)による効果の検証:1.の結果を踏まえて、十分なインフォームドコンセントのもとに、慢性期脳卒中片麻痺患者(発症後1か月以降、SIAS膝伸展スコア3/5以下)を対象としたRCTを開始した。介入群では、StrengthErgo240を用いて、アイソメトリックモード、負荷5Nmで任意のスピードでペダリング運動を1日1回7分間、週4-5回、4週間施行させた。対照群は、麻痺側膝関節屈伸運動を任意のスピードで行わせた。ベースラインと介入4週問後に、1)麻痺側ヒラメ筋Hmax/Mmax、2)歩行指標:時間、歩数、両下肢筋活動(立脚期積分値/遊脚期積分値)、3)運動麻痺(SIASスコア)、痙性(modified Ashworth Scale : MAS)の変化を評価した。現在までに介入群5名、対照群5名がエントリーされており、引き続き、各群10名程度を目標に症例数を増やした上で、結果の解析を行う予定である。
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