2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500409
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西田 保 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (60126886)
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Keywords | 体育 / 学習意欲 / 喚起 / サポート |
Research Abstract |
本研究の目的は、体育における学習意欲を高めるサポートシステムを開発することである。体育における学習意欲を高める働きかけに関して、教師および友人がどのようなサポートをすればよいのかについて、文献研究、専門家との面接、事例研究を中心に検討するとともに、適性処遇交互作用(ATI)の視点より個性に適したより有効な方法を提唱しようとするものである。 平成15年度は、体育における学習意欲を高める「教師の働きかけ」に焦点をおき、小学4年生を対象とした実践的な取り組み(介入実践)を行った。まず、体育における学習意欲を総合的に診断した。その診断結果をもとに、担当教師が子どもの学習意欲を高める働きかけを考慮した指導案を作成し、全6時間の体育授業を展開した。単元終了後に再度体育における学習意欲の診断を行った。その結果、全体的にこの実践を通して体育における学習意欲得点が高まり、特に「学習の価値」「運動の有能感」「学習ストラテジー」においてその傾向が強かった。また、体育授業の楽しさや授業の興味も高くなり、この授業に魅力を感じた子どもが多くなつた。学習不安に関しては顕著な変化は認められなかったが、総じて解釈するならば、子どもの学習意欲が高まった実践であったと考えられる。 今回の実践では、単元の最初の段階で、子どもたちの体育における学習意欲の特徴を総合的に把握できるので、それぞれの子どもに適した教師の「働きかけ」が可能になったと考えられる。今後は、教育現場の先生方と積極的に意見交換をしながら、子どもの個性に応じた学習意欲の喚起サポートについて提案していく予定である。
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