2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域における総合的「身体教育」のための「場」の検討
Project/Area Number |
15500420
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
久保 正秋 東海大学, 体育学部, 教授 (30119672)
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Keywords | 身体教育 / 総合的学習 / 教育的空間 / スポーツ / スポーツ&レジャー / 空間の履歴 / オリンピック / スポーツメッカ |
Research Abstract |
今年度は、研究計画に従って、1.新たな総合的「身体教育」の検討、2.対象となる地域・施設の検討、3.予備調査を行った。その結果,1.新たな総合的「身体教育」の内容を、従来の「スポーツ」や「運動」ではなく、それらを包含した新しい「活動」の概念(例えば「スポーツ&レジャー」)で捉えることが必要であり,その「活動」が実践される「場」を「空間(教育的空間)」として検討することの重要性を明らかにした。よって、総合的「身体教育」のための「場」に関して、物理的な建造物としての機能のみならず、 「空間」としての象徴性、教育性、および時間的な「履歴(歴史)」を検討する必要性を明らかにした。 これらの成果を踏まえ、2.調査の対象として(1)スポーツ「メッカ」と呼ばれる「空間」、(2)「オリンピック」という履歴を持つ「空間」、(3)スポーツ「ミュージアム」という「空間」、(4)巨大スタジアムという「空間」、(5)運動(スポーツ)「公園」という「空間」を選択した。 3.予備調査は(1)甲子園球場、花園ラグビー場、代々木第2体育館、(2)東京、札幌、長野、シドニーのオリンピック施設、(3)オリンピック記念館(長野・東京)、ウィンタースポーツミュージアム(札幌)、スポーツ博物館(東京)、スポーツギャラリー(大阪)、スポトロギャラリー(大阪)、(4)大阪、東京ドーム、(5)サッカーパーク(沖縄)、運動公園(神奈川)で実施した。これらの予備調査の結果、現状の「場」の問題として、1.ある特定の「運動(スポーツ)」を行う(あるいはそれを見せる)ための機能は充実しているが、その「空間」で生起する「教育」に関する意識が稀薄である、2.スポーツ(イベント)は一過性の出来事として捉えられ、それをその「空間」の履歴として残すということがなされていない、という点を指摘することができた。
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