2004 Fiscal Year Annual Research Report
男女共同参画社会における女子体育教師の役割について-戦前の女子体育教師との比較-
Project/Area Number |
15500421
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Research Institution | Tokyo Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
掛水 通子 東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (20096663)
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Keywords | 女子体育教師 / 男女共同参画社会 / ジェンダー / 女子体育教師数 / 女子体育 / ダンス / 文部科学省学習指導要領 / 戦前 |
Research Abstract |
関東4県の高校女子体育教師と保健体育科主任および校長750人(回収率43.7%、328人)に対して女子体育教師に関する調査を実施し、戦前の女子体育教師と比較しながら、男女共同参画社会における女子体育教師の役割を考察した。 高校の1校平均専任体育教師数は女子1.31人、男子4.85人、合計6.16人であった。女子体育教師は最少0人、最多6人、男子体育教師は最少0人、最多15人であった。女子体育教師0人の高校が14.9%あり、女子体育教師が配置されていても約9割が2人以下であった。体育教師が理想とする女子体育教師数は現実より平均で1名多く、理想とする男子体育教師数は現実より0.26人少ない。 約4分の1の女子体育教師はダンスを担当しておらず、男子体育教師の約2割はダンスを担当している。女子体育教師が武道を担当することは未だに極僅かである。近年女子体育教師の数は減少しており、その分、男子体育教師が従来女子体育教師が担ってきた分野を担っている。共学高校で女子体育教師の61.6%は、男女共修の授業を中心に、男女両方の生徒を担当し、「女子体育は女子の手で」の考えが減少している。男女共同参画社会における男女共修の授業が女子体育教師の受け持ちを男子生徒に広げたとみることができる。 戦前の女子体育教師像に対して、過半数が「大変そう思う」か「まあそう思う」を選択しなかった項目は、男女共同参画社会における女子体育教師像が変化してきたとみることができる。「女子らしい柔軟な美しい動きは女子体育教師が指導すべき」と過半数が思わない点、男子体育教師の約2割がダンスを担当していることは、女子体育教師の役割が変化したことを示すものであろう。
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Research Products
(1 results)