2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーブキックのメカニズムに関するスポーツ工学的研究
Project/Area Number |
15500424
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
浅井 武 山形大学, 教育学部, 助教授 (00167868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 和哉 山形大学, 教育学部, 助教授 (60292405)
笹瀬 雅史 山形大学, 教育学部, 助教授 (50250907)
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Keywords | カーブキック / サッカー / 有限要素法 / 流体 / 風洞 / 抗力係数 |
Research Abstract |
本研究では、サッカーのインフロントカーブキックを対象に、高速VTRカメラを用いて上方から撮影し、蹴り足やボールの速度、ボール回転数、フェイスベクトルとスイングベクトルのなす角度(迎え角)について検討した。その結果、蹴り足速度の平均値は24.2m/sであり、ボール速度の平均値は27.1m/sであった。インフロントカーブキックにおけるボール回転数の平均値は7.8回転であった。全てのインフロントカーブキックの試技において迎え角がみられ、その平均値は35.4deg.であった。迎え角の最小値は21.9deg.、最大値は45.4deg.となっており、かなり広いレンジに渡っていた。インフロントカーブキックでは、蹴り足のフェイスベクトルとスイングベクトルとの間にある迎え角を作ることが、ボールに回転を発生させることの原因の一つになっていると考えられた。 また、下腿の有限要素骨格モデルを作成し、インフロントカーブキックのコンピュータシミュレーションを行うことによって、迎え角とボール回転数、及びボール速度の関係を検討した。その結果、迎え角とボール速度との関係をみると、迎え角が大きくなるに従ってボール速度は小さくなっていた。一方、迎え角とボール回転数との関係は、迎え角が大きくなるに従って回転数は増大するが、約70度を越えると急激に減少していた。実際のフリーキック時におけるこの迎え角をみると、ボール回転数が最大になる角度より小さいと考えられ、ボール速度を重視したカーブキックを行なわれていたと推察された。 さらに、回転及び無回転のサッカーボールに対して風洞実験を行い、ボールに働く力を測定した。無回転の場合にはオイルフローによる可視化実験を行い、その空力特性を調べた。その結果、回転時の抗力係数は、0.35から0.4程度、無回転時の抗力係数は0.2程度であることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)