2005 Fiscal Year Annual Research Report
バスケットボールの競技力を規定する諸要因に関する構造論的研究
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15500430
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内山 治樹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (00168717)
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Keywords | バスケットボール / 競技力 / 構造論 |
Research Abstract |
「競技力」は、わが国のスポーツ界で広く一般に用いられている重要な用語であるにもかかわらず、漠然とした曖昧な解釈を許している概念はないと推断される。しかし、この競技力という言葉は、意識の深層に存在する汎時的な言葉であると見做されるが故に、この深層意識での言葉を一義化して、その内実に何某かの共通了解を実定させなければ、実際のゲームや指導の場面において、指導者と競技者間のコミュニケーションばかりか、指導者同士あるいは指導者と研究者間の議論は不毛なものへと陥ってしまうことは必定である。 そこで本研究では、可視的で一回性的で多様な表層でのスポーツ現象を支えて、それを秩序づけて根拠を与えている不可視の深層での仕組みたる「スポーツ構造」にこそ共通了解が存すると仮定し、「スポーツ構造がバスケットボールの競技力を規定する」という独自の命題設定から、バスケットボールの競技特性を規定する普遍的な仕組みの解明を目的とした。 三年計画の最終年である今年度は、日・独・米の三カ国のバスケットボール関係並びに競技力等に言及する文献の収集とそれらの分析を通じて、スポーツ構造を構成する三契機の一つである「知性」の中核要因たる戦術に焦点が当てられた。そして、一昨年度紙上発表した「バスケットボール競技のチーム戦術の構造分析」(スポーツ方法学研究、第17巻第1号:平成16年度スポーツ方法学会学会賞受賞)の結果に基づき、わが国のトップレベルに位置するチーム及び指導者を対象に実証的研究を行った。また、「原理論的アプローチ」を新たな研究方法として提案することで、従前とは全く異なる観点から「戦術研究」の究明を行い、その成果を、第56回日本体育学会(11月24日)でのシンポジウムにおいて発表した。
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Research Products
(5 results)