2005 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ活動が小児の血小板・血管内皮機能と動脈硬化の進展に及ぼす効果に関する研究
Project/Area Number |
15500431
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀米 仁志 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50241823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 祐司 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (30302417)
田中 喜代次 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50163514)
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Keywords | スポーツ医学 / 小児 / 成人病 / 動脈硬化 / 血小板機能 / 血液凝固線溶系 |
Research Abstract |
【研究目的】 動脈硬化をはじめとする成人病の一部は、小児期にその起源があると考えられている。その背景には血管内皮機能や血管内皮・血小板相互作用が強く影響を与えている。凝固線溶系蛋白には日内変動がみられ、早朝のplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)上昇が早朝の虚血性心疾患イベント発生に関連するとの見方もあるが、小児期の成長に伴う変化やスポーツ活動に伴う変化は充分に解明されていない。そこで、小児期における健常人や、小児期に特徴的な慢性的に低酸素状態にあるチアノーゼ性先天性心疾患(cyanotic congenital heart disease : CCHD)を対象に血管内皮機能のマーカーとなる血漿マーカーについて検討する。 【研究計画・方法】 17年度は、健常小児とCCHDを対象として9時と16時におけるPAI-1活性、tissue-type plasminogen activator(t-PA)抗原を評価する。 【現在の進行状況】 PAI-1活性とt-PA抗原はCCHD群、健常小児群ともに午前中に高値の日内変動を認めた。PAI-1活性は16時で健常小児群に比べCCHD群で高値であった。また、t-PA抗原は9時16時ともに健常小児群に比べCCHD群で高値を呈した。また、t-PA抗原は赤血球に正の相関を呈した。 【今後期待される研究成果】 有酸素運動は血小板凝集を抑制し、凝固線溶機能に関しては線溶優位に作用するが、適度の運動は血小板凝集作用を呈し、また、凝固優位に作用する事が報告されている。過度の運動は生体組織の低酸素状態を引き起こすと考えられる。慢性的な低酸素状態にあるCCHDでは凝固線溶蛋白の異常が認められた。これらの機序の解明は、スポーツ活動の血管内皮細胞障害への関わりを明らかにし、小児期発症の成人病の病態解明と予防に貢献すると考えられる。
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Research Products
(4 results)