2005 Fiscal Year Annual Research Report
卓球一流選手の打球直前の動作修正における反応のメカニズム
Project/Area Number |
15500438
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉田 和人 静岡大学, 教育学部, 助教授 (80191576)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村越 真 静岡大学, 教育学部, 教授 (30210032)
杉山 康司 静岡大学, 教育学部, 助教授 (10206443)
|
Keywords | 卓球 / 視覚情報 / 動作修正 / 運動制御 / 筋活動 / ラケットの動き / 上肢の動き / 内観 |
Research Abstract |
本研究は,これまでの研究における実験方法上の問題を解消し,卓球一流選手の打球直前の動作修正のメカニズムを検討しようというものであった. 3年計画の最終年にあたる本年度は実験と分析を行い,3年間の研究成果をまとめた. 実験は,全国大会で優秀な成績を残している卓球選手2名を被験者として,通常のボール(レギュラーバウンド課題)と,イレギュラーバウンドが発生しやすいように,表面を凹凸に加工したボール(イレギュラーバウンド課題)を用いて行われた.試技は,卓球コーチから配球される4m/s程度のスピードの無回転ボールに対して,フォアハンドドライブ打法(大きなスイング)と,フォアハンドフリック打法(小さなスイング)により,各課題において各打法で10球ずつ強打することとした.打球動作とボールの動きについては,機械的に同期された2台の高速度ビデオカメラにより,250fpsで収録した.打球時の筋活動については,利き手の前腕及び上腕における4種の骨格筋の筋放電を導出した.イレギュラーバウンド課題では,被験者に対して1回の打球ごとに,動作修正に関する内観をインタビュー調査した. 実験の結果,被験者がインタビューで「瞬時の動作修正を行った」と回答している試技の多くにおいて,1)打球直前の上肢骨格筋に筋放電の消失期間がみられること,2)動作修正に要する時間は,スイングが大きいほど長くなる傾向があること,3)打球の約160〜180ms前の自領コートでのイレギュラーバウンドによりボールが加速して,打球までの時間が短くなった場合,それに対応して動作を修正していること,等が明らかにされた. 以上のことから,卓球一流選手の打球直前の動作修正については,時々刻々入力される視覚情報によって制御されており,スイングの大きさ等によっても異なるが,打球の約160〜180ms前の視覚情報が利用されていると考えられた.
|
Research Products
(1 results)