2004 Fiscal Year Annual Research Report
競技パフォーマンスと注意メカニズムに関する精神生理学的研究
Project/Area Number |
15500443
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
佐久間 春夫 奈良女子大学, 文学部, 教授 (10128572)
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Keywords | 認知機能 / 注意 / 脳波 / P300 / SEP / CNV |
Research Abstract |
最適な競技パフォーマンスを発揮する上で、覚醒水準とそれを支える注意メカニズムを明らかにすることはスポーツ科学だけでなく、認知心理学においても重要な課題である。本年度の研究では、 (1)動作タイプ・特性と注意機能を反映するP300、CNV等の誘発電位から注意機能をとらえる、 (2)注意と身体知覚の変容と認知機能との関係について、SEP等の誘発電位やα波などの脳波成分、発達的変化の側面から検証することを試みた。その結果、次のような知見を得た。 ・二重課題技法を用い前腕回転動作中の反応時間を調べた結果、回転動作速度と反応時間とには逆U字関係が見いだされ、注意と動作速度の関連性が示唆された。 ・比較的長期にわたる持続的な全身運動が認知機能に及ぼす影響を調べた結果、右前頭部でのα波の増加が見られ、認知・注意水準を保つ上での全身運動の意義が示唆された。 ・注意水準をコントロールするために刺激-反応整合性課題を用いた結果、注意が分散される条件ではCNVの後期成分の現象がみられる、P300成分の遅延が見いだされた。 ・SEPを用い注意対象を操作した結果、身体知覚の変容が見いだされ、注意条件で部位の過大評価傾向が見いだされ、SEPの振幅と正の相関が見いだされた。 これらの結果は、運動と注意機構を中心とした認知機能との関連性を明らかにするとともに、そのメカニズムとして注意容量には限界があるが、配分に関しては運動動作特性によって異なることを示すものである。
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Research Products
(3 results)