Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 光弘 筑波大学, 体育科学系, 教授 (00007353)
柳原 英兒 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60056231)
塩川 満久 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (60263654)
菅 輝 広島国際大学, 保健医療学部, 講師 (80274033)
磨井 祥夫 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10116543)
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Research Abstract |
本研究グループは,平成11年度より三次元画像解析方法を用いてJリーグや日本代表のサッカー公式戦での,全選手とボールの動きを時系列に沿って座標化し,それらの動きをベクトル化した.そして,モダンサッカー戦術を,客観的なデータを基に解明してきたが,成熟した年齢層に限られていた. そこで本研究では,モダン戦術の分析を異なる年齢層(ユース年代)と比較し,その違いや意味を明らかにすることを目的とした. <成果の概要> 1.トップチームとユース年代の客観的なデータを比較すると,以下のような違いが明らかになった. 選手の移動距離は,トップとユースチームにおいて顕著な違いは見られなかった.しかし,選手のスピードの変化は,トップチームの方が変化の割合が,ユースチームの選手と比較すると激しいことが確認された. 以上のことから,選手の動きの特徴として,トップチームの選手は,移り行くゲームの状況の変化の中で,メリハリをつけてスピードを変化させていると考えられる。一方,ユース年代では,動くことが目標や課題とされ,その効率や効果をあまり追求していないと考えられる. 2.チームのバランスを表す指標としての,チームの中心点の対応関係についての結果を以下に述べた. それは,ピッチの縦の相対関係においては,トップとユースチームは,ともに90分間を通して的確に対応できている.しかし,ピッチの横の対応関係を見ると,ユースの試合は,トップチームのそれと比較すると,ばらつきが多く確認された. 以上のことから,モダン戦術のチームバランスでは,両ゴールに向かう縦の動きではユース年代の時点でチームとしてのバランスを保つことは確立されていると考えられる.しかし,ボールの横の動きに対するチームのバランスの維持は,ユース年代において未成熟でありモダン戦術の獲得過程としては,この戦術の確立と獲得が18歳以降の年代以降によって成し遂げられると推測される.
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