2003 Fiscal Year Annual Research Report
身体に対する認知と運動行動及び食行動の関連についての社会心理学的研究
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15500451
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
磯貝 浩久 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70223055)
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Keywords | ボディ・イメージ / 社会的体格不安 / 身体的自己効力感 / 身体的自己観 / パーソナリティ / 体型 / 運動行動 / 食行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、身体に対する認知が運動行動と食行動にどのような影響を及ぼすか、反対に運動行動・食行動の変容が身体に対する認知にどのような変化をもたらすかという問題について、社会文化的要因、パーソナリティ要因、体型要因を考慮して検討することである。 本年度は、1)身体に対する認知を評価する理論間の関係、2)身体認知とパーソナリティ要因、体型要因等との関連、3)身体認知と運動行動・食行動との関係について横断的研究を行った。対象は、大学生680名であった。主な結果は以下のように要約される。 1)身体の対する認知を評価する理論間の関係:社会的体格不安、身体的自己観、身体的自己効力感の関係を検討した結果、3者間には高い相関が認められた。また、ボディ・イメージ及び痩身願望と強く関係することが示された。 2)身体に対する認知と社会文化的要因との関係:(1)身体に対する認知には性差がみられ、女性は社会的体格不安が高く、身体的自己効力感が低い傾向が認められた。(2)自尊感情及び自己意識は身体に対する認知に影響していることが示された。(3)体型(BMI)と身体に対する認知との関係がみられ、肥満傾向にある者は総じてネガティブに身体を評価していることが示された。 3)身体に対する認知と運動行動及び食行動の関係:(1)身体に対する認知は、過去の運動経験及び運動行動変容段階と密接に関係することが示された。(2)身体に対する認知は、食統制の欠如など食行動のあり方と関係が深いことが示された。
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