2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500460
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
水落 文夫 日本大学, 文理学部, 助教授 (30157482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 秀嗣 日本大学, 歯学部, 助教授 (20153851)
鈴木 典 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (10162968)
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Keywords | スポーツ活動 / 心理的ストレス / 唾液 / 自律神経機能 / コルチゾール / クロモグラニンA |
Research Abstract |
スポーツ競技のパフォーマンスに影響する心理的ストレスを測定する指標を選定し、その妥当性・信頼性を検証した。注目した指標は、唾液中のグラニン蛋白(クロモグラニンA)と糖質コルチコイド(コルチゾール)であり、大学生に対し2つのストレス課題(比較的統制されたストレス刺激とスポーツ競技の試合前におけるストレス状態)を与えたときのストレス反応を、唾液中物質、および心拍反応、心理テストによって測定し、両課題に対する各測定項目の変動と項目間の関係から検討した。測定結果から以下のような知見が得られた。 1.唾液の採取は心拍測定や質問紙のような心理的負担が少なく、スポーツ選手のためのストレス測定に適していた。 2.唾液中クロモグラニンA、コルチゾールとも暗算課題のような一過性のストレス刺激にうまく反応した。特に、クロモグラニンAは反応が極めて早く、個々のストレス刺激-反応の関係を求めるのが容易であった。 3.競技パフォーマンスに影響するような試合前の強い心理的ストレスに対し、クロモグラニンA右コルチゾールも高い反応を示した。反応は暗算課題より著しく大きい値を示す場合が多く、競技ストレスの強い負荷強度を推測させた。 4.唾液中物質の変動に対し、心電図RR間隔などの心拍反応に強い僕1係は認められなかったが、心理テストによる不安得点などの変化とは強い関係が認められた。 クロモグラニンAは強い運動ストレスには反応しないとされており、この研究で交感神経系の興奮を推測するようなストレス反応をうまく評価できる可能性が認められたことから、スポーツ活動にともなう一過性の心理的ストレス反応を評価するストレス指標として、また、コルチゾールは比較的持続的な心理的ストレス反応に対応するストレス指標として機能することが示唆された。
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