2003 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ傷害診断時における心理的要因からの新アプローチ-心理的サポート導入システムの開発を目指して-
Project/Area Number |
15500467
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
岩本 英明 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (90223429)
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Keywords | スポーツ傷害診断 / 心理的サポート導入システム / 心理的要因 / スポーツ整形外科 / 心理的競技能力 / スポーツ競技者 / 傷害予防 |
Research Abstract |
M整形外科病院スポーツ整形外来において、受診するスポーツ競技者を対象に(中学生以上のスポーツ競技者で傷害を負った者)、STAI(State Trait Anxiety Inventory/状態・特性不安尺度)、DIPCA(心理的競技能力診断検査)、MCT-II型の心理検査を実施した。対象者は、男子300名、女子179名、合計479名、平均年齢189才(S.D5.50)であった。対象者の特徴は、19歳以下(U19)の受診者が7割近くを占め、先行研究などの対象者に準じていた。 STAIについて;年代別に状態不安、特性不安の結果を見ると、U19の患者がどちらも高い状態にあった。有意な差は見られなかったが、特性不安が特に高い状態であった。先行研究などからも、受傷者の不安が高いことが報告されているが、今回の調査においても同様の結果となった。 MCT-II型について;MCT-II型についても、年代別に比較してみると、U19の群が活動性において有意に低い結果となった(F=3.17,P<.05)。また、U19における平均値の波形は、一般的にオーバートレーニング状態に近く、疲労や抑うつなどの得点が高い。また、若年者の受傷者は、抑うつや怒りが高くなるという報告もあり、今回の調査でもそのことが伺えた。 DIPCAについて;DIPCAの結果については、自己コントロール能力、リラックス能力、集中力の3つが含まれる精神の安定・集中尺度について検討した。年代別の比較では、年代の高い受診者において得点が有意に高かった。このような精神の安定などは、傷害との関係が大きい要因と考えられ、ジュニア期の選手などにおいては、メンタルトレーニングなどの心理的競技能力を安定させるための、取り組みなども必要であると考えられる。 今後の課題について;今回の調査からはジュニア期の選手について、特徴的な結果が得られた。今後の課題として、傷害の重傷度や種目別の比較などを行ない、さらにスポーツ傷害の発生に関わる外的要因・心理的要因を検討することと、傷害予防教育などへの提言などが考えられる。スポーツ障害診断時への心理的サポート道入システムの構築が急務である。
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