2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における筋萎縮および骨粗しょう症の予防法の検討
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15500478
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石原 昭彦 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (90184548)
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Keywords | 高齢者 / 筋力 / 骨密度 |
Research Abstract |
50歳代(15名)、60歳代(15名)、70歳代(15名)の男性を最大努力で運動する群(各年代5名)、最大努力の60%で運動する群(各年代5名)、特別な運動を行わない群(各年代5名)の3群に分けた。運動群には肘関節の屈曲および伸展運動を12週間にわたり負荷した。運動は、3秒間の随意収縮と7秒間の休息を「屈曲動作」で6回繰り返し、1分間の休息を挟んで、3秒間の随意収縮と7秒間の休息を「伸展動作」で6回繰り返し、これを1セットとして、セット間に5分間の休息を挟んで、計3セット行わせた。月曜日から金曜日まで午前と午後に3セットを行い、土曜日に最大努力での発揮筋力とX線を使用した上腕骨の骨密度の測定を行った。被検者には実験内容の説明を行い、実験に参加することの同意を得た。12週間の運動後の最大努力での発揮筋力は、最大努力で運動する群>最大努力の60%で運動する群>特別な運動を行わない群であった。これは年代に関係なく同一の結果であった。骨密度についは、いずれの群においても、またいずれの年代においても差異がみられなかった。これらの結果より、高齢者の筋力を維持・増進させるためには高強度の筋運動が有効なことが明らかとなった。一方、骨密度に対しては、運動強度や年齢には関係なく有効な効果が得られなかった。これは、運動期間が短かったこと、または、高齢者の運動は骨密度の改善を期待できないことを意味している。これについては、次年度の研究で明らかにする予定である。
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