2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500486
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小原 繁 徳島大学, 総合科学部, 教授 (00093849)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 萬壽夫 徳島大学, 工学部, 教授 (70035632)
|
Keywords | 血管硬化度 / 運動負荷 / 血管音 / 周波数解析 |
Research Abstract |
血管の硬化度を簡便な方法で評価できないかを検討するために本研究をおこなった.本研究の基本的仮説は,血管の硬化度が進めば血圧を測定するときに発生する血管音(コロトコフ音)に音に変化が現れるのではないかという点にある.血管音は圧迫された血管の圧を緩めることによりわずかに血管が開き,その隙間から血流が流れ出すことにより乱流が起こり,それが血管音を引き起こすことが知られている.その音は血管壁の堅さに影響されることが考えられるので,血管音の周波週分析を試みた.安静時の血管音よりは運動負荷をかけて,血流速度を増した場合の方が,より顕著な変化が現れるのではないかという仮定のもとに実験をおこなった.被検者は健康な若者(21,22歳の男子大学生2名,23歳の女子大学院生1名)3名と44,53,54歳の男性3名である.自転車エルゴメータのペダリングにより10ワットから開始して漸増負荷法により120ワット以上まで負荷を高めた.運動時間は各負荷で3分間である.各負荷の最後の30秒間に血管音の記録を肘動脈の上に置いた心音マイクロフォンによりAD変換器を通してパソコンに取り込んだ.その血管音の周波数パワースペクトルを求めて,そこでのピーク周波数を調べた.その結果,ピーク周波数はある負荷から増加を傾向を示すようになり,130ワット(被検者によっては120ワット)の負荷でのピーク周波数を若者と中年者で比較すると,若者が180Hz以下を示すのに対して,中年男性は1名は170Hzであるが,他の2名は250Hzを示した.この結果は血管音ピーク周波数から動脈硬化度を判定できる可能性を示している.また運動負荷の増大と共にピーク周波数が急激に増加する現象も見られたので,この点も次年度の課題として検討を進める.
|