2004 Fiscal Year Annual Research Report
成長期における運動経験の有無が月経状態に及ぼす影響
Project/Area Number |
15500489
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Research Institution | Aichi Prefectural University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
石垣 享 愛知県立芸術大学, 美術学部, 講師 (60347391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 勝弘 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (30313779)
辻田 純三 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30104235)
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Keywords | 月経異常 / 身体組成 / 骨密度 / 摂食態度 |
Research Abstract |
本研究は、若年女子のスポーツ経験の有無と月経異常、摂食態度および身体組成との関連を検討するものである。これまでに測定した人数は、一般女子高校生が145名、高い競技レベルの高校女子スポーツ選手が52名、女子大学生が240名となった。女子大学生においては、身体組成、スポーツ実施状況、摂食態度および身体組成に関わらず続発性無月経者が1人だけであり、その他は周期異常が認められるものの月経を有していた。月経周期異常の有無に体組成および摂食態度の明らかな影響は認められなかった。一般女子高校生においても同様に、続発性無月経者は3人だけであるのに対して、競技スポーツ選手では、続発性無月経および初経遅延者が高率で認められた。高校スポーツ選手の無月経には、摂食態度の重度の異常が大きく関与し、栄養摂取の制限、特に炭水化物の制限が顕著に認められ、これらは血小板および血液中のアルブミン濃度が低下するレベルにあった。またこれらに血液中のレプチン濃度の低下と血清コレステロール値の上昇が認められ、神経性食欲不振患者の血液動態と一致した結果であった。これらの結果は、日本体力医学会、ヨーロッパスポーツ科学会、日本発育発達学会、プレアテネオリンピック学会、トレーニング科学研究会等で発表し、その一部をJournal of training sciences for exercise and sport等で報告している。この2年間の研究では、激しいスポーツ活動を実施している高校生以外で、続発性無月経の被験者を発見することはできなかった。この結果は、高校生レベルの発育状況で、激しいスポーツ活動を実施していなければ、月経周期に異常を及ぼすことは考えられず、大学生にいたってはこの状況が顕著となる。したがって、これまでの研究成果は、思春期女子のスポーツ活動のあり方が将来の健康に影響する可能性を示唆している。
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Research Products
(6 results)