2005 Fiscal Year Annual Research Report
成長期における運動経験の有無が月経状態に及ぼす影響
Project/Area Number |
15500489
|
Research Institution | Aichi Prefectural University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
石垣 享 愛知県立芸術大学, 美術学部, 講師 (60347391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 勝弘 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (30313779)
辻田 純三 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30104235)
|
Keywords | 月経異常 / 身体組成 / 骨密度 / 摂食態度 |
Research Abstract |
本研究は、若年女子のスポーツ経験の有無と月経常態、摂食態度および身体組成の三者の関連を検討することを目的として、3年間に亘り調査を行った。本年は、研究期間最後の年度であり、研究データの追加およびまとめを行った。本年度調査した人数は、高い競技レベルの高校女子スポーツ選手が5名、女子大学生が116名であった。 本年度調査した女子大学生においては、身体組成、スポーツ実施状況、摂食態度および身体組成に関わらず続発性無月経者は存在しなかった。前年度までのデータに加えて検討しても月経周期異常の有無に体組成および摂食態度の明らかな影響は認められなかった。これに対して高校新体操選手では、17歳であっても未経者が2名存在し、彼女達の摂食態度異常および低体脂肪率が無月経を誘発している可能性が十分に考えられる結果であった。骨密度に関しては、体重、BMI、月経の有無、摂食態度のいずれも有意な関係は示しておらず、女子大学生では運動経験の長さに比例して骨密度は高値を示しており、高校スポーツ選手においても運動によって同年齢の相対値で10%近く高値であった。したがって、若年女子の骨密度において最も重要なのは、月経の有無よりは、運動経験の有無であり、さらに運動実施期間が長ければ効果的であることを示した。これらの結果は、日本体力医学会および日本体育学会で発表した。これまでの研究結果は、無月経が生じる要因に摂食態度異常および低体脂肪が関係することを支持するが、これらが即に骨粗鬆症に繋がるわけではなく、骨への影響は、無月経状態が長期に亘り継続していなければならないことを示した。したがって、女子アスリートの三徴である、摂食障害および無月経が先であり、これらの状態の期間が長いほど、骨粗鬆症を引き起こすことが示唆された。さらに、高い競技レベルにある思春期女子のスポーツ活動のあり方が将来の健康に影響する可能性を示唆した。
|
Research Products
(3 results)