2004 Fiscal Year Annual Research Report
伝統医学的ヘルスプロモーションプログラムに関する研究
Project/Area Number |
15500494
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
矢野 忠 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 教授 (70166560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣 正基 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (80218825)
石崎 直人 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (90212878)
福田 文彦 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 講師 (80238485)
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Keywords | 伝統医学 / 鍼灸医学 / ツボ / ヘルスプロモーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、東洋医学的な健康評価による健康レベルの判定の妥当性と、その評価に基づいたツボ健康法による一時予防の効果を客観的に検証するところにある。平成16年度は、実際に企業労働者を対象に東洋医学的観点に基づいた健康増進プログラムの有用性について、円皮鍼療法を用いて検討を行った。調査の実施に当たっては企業と入念に打ち合わせを行いRCTが困難なことから、対象者を円皮鍼群(希望者(97名)と対照群(非希望者202名)に分け比較検討した。 健康状態の評価は、身体的愁訴の有無および、健康評価(健康関連QOL尺度、生活習慣、日常いらだち事、生活満足度、SDS、東洋医学弁証スコア)により行い、基本的な健康レベルおよび就労による症状の変化について調査した。調査の後、ツボ健康法として円皮鍼療法を実施した。円皮鍼療法は、治療開始前の愁訴および東洋医学的健康評価の結果より各自にあった経穴を処方し、1週間サイクルの円皮鍼貼付を2ヶ月間継続した。愁訴の評価は1週間おきにVASおよびFace Scaleにて行った。円皮鍼療法終了後、再度身体的愁訴の有無および健康評価を行った。 健康調査の結果、事務やOA作業者では頭痛や肩こりの訴えが多く、仕分けや梱包、配送作業では腰下肢痛や腕の痛みの訴えが多くみられ、業務内容による愁訴の特徴が見出された。円皮鍼療法の実施によりどの業務内容においても症状は軽減する傾向が見られた。しかし仕事量が増加した場合には愁訴が増悪した。円皮鍼貼付療法による副作用や事故は一切認められなかった。 通常の業務時に自覚する愁訴は円皮鍼療法により改善する傾向を示したことから、東洋医学的健康増進プログラムによる円皮鍼療法は健康管理法として有用であることが示唆された。しかし、仕事量が増加する状況下では円皮鍼療法を行っても愁訴は増悪し本法の限界を示した。このことから、本法による健康管理は普段の労働状況下で実施することが妥当であると考えられた。
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