2003 Fiscal Year Annual Research Report
親を巻き込んだ子供の身体活動を促進する通信教育プログラムの開発と有効性検証
Project/Area Number |
15500499
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山口 幸生 福岡大学, スポーツ科学部, 講師 (90230375)
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Keywords | 身体活動 / 通信教育 / 子ども / 行動変容技法 |
Research Abstract |
平成15年度は、通信教育プログラムで用いる教材の開発を中心に行った。また開発した教材を用いて、試験的に参加者を募集し効果検証を行った。具体的には4〜8歳の子供がいる家庭を対象とし、行動変容技法を取り入れた通信教育による身体活動促進プログラムを実施し、加速時計を主な指標として有効性を検証した。参加者募集は2つの保育園を通して、教室パンフレットを300部配布するかたちで行った。申し込みがあったのは3家族で、実際には2家族がプログラムを開始した。参加人数はY家族の場合、父、母、娘の計3名で、W家族は父、娘、祖父、祖母の計4名であった。プログラムで用いた行動変容技法は、目標設定、達成度評価、オペラント強化法(外的報酬を与える)、運動実施の阻害要因と効果的対処、行動観察、ソーシャルサポートであった。実施期間はおよそ6週間で、教材配布を3回、行動変容のスキルアップ課題を3回、アドバイスのフィードバックを2回行った。また、加速時計を配布し、1日の運動消費エネルギーと歩数を記録表へ記録するよう求めた。教材の配布は、およそ2週間に1回のペースであった。指導者と参加者は一度も顔を合わせることなく、コミュニケーションはすべて紙を媒体としたものであった。またいつ運動をするか、どれだけ実施するか、何を行うか、などといった運動実施の内容はすべて参加者による自己決定に任された。 結果として、Y家族全体の歩数は、プログラム開始時より約10000歩増加していた。特に娘は約7000歩、母親は約2000歩増加した。W家族全体の歩数は、家族全体の目標である1日25000歩を6週間通して維持していた。以上のことから、今回開発したプログラムは一定の有効性を持つことが示唆された。今後比較群を設定し改良を加えたうえで、大人数を対象とした有効性検証を行う予定である。
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