Research Abstract |
平成16年度は,前年度の予備的介入研究の結果を受け,大規模な無作為割付介入を行う予定であった.しかし,本年度に行った文献研究と,幼児教育研究者と討論から,単に運動遊びを奨めるだけでなく,運動と他の生活習慣との関連を強調した方が,より多くの参加者にとって魅力的なプログラムになると判断した.そこで平成16年度は,保育園児・幼稚園児およびその親を対象とした質問紙調査を実施し,ここで得られた情報から教材を再度作成することを目的とした.調査は,運動遊びの量と幼児の睡眠の質,遊びの種類や,頻度,タイミングと睡眠の質に焦点を絞った. 調査は,福岡県のA幼稚園,B保育園,佐賀県のC幼稚園の園長に依頼し,園を通して各家庭に質問紙を配布し,回収した.調査対象者は園に子供を通わせる保護者であった.質問紙の配布数は433部で回収数254部(回収率61%)であり,データ分析の対象は,保育園児0〜3歳28名,4〜6歳35名,幼稚園児0〜3歳84名,4〜6歳96名とその保護者であった. その結果,4歳以上の保育園児では,就寝直前の遊びが睡眠の質を落としている可能性が示唆された.その他の年齢では,同様の結果が得られなかった.また,4歳以下では,ゆっくりとした入浴が睡眠の質を高める可能性が示唆された.運動遊びの量および種類の多さと睡眠の質の関連は見られなかった.その他全般的に,年齢および親の生活習慣によって,子供の生活習慣の実態は異なっている傾向が示された. 以上の調査から,発達段階に応じて異なった教材内容を作成する必要があることが明らかになった.平成17年度には,これらのことを踏まえて教材を作成し,大規模な無作為割付介入を行う予定である.
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