2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス防禦機構よりみた運動療法による動脈硬化予防の機序に関する研究
Project/Area Number |
15500500
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Research Institution | University of Occupational Health and Environmental Health |
Principal Investigator |
池田 正春 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40078770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南里 宏樹 西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (80150415)
太田 雅規 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (70341526)
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Keywords | 生活習慣病 / 運動 / 一酸化窒素(NO) / NO biovailability / EC(細胞外)-SOD / 脈波伝搬速度 / HOMA指数 |
Research Abstract |
今年度の計画に従い実施した研究のうち主な研究成果は下記の通りである。 1.生活習慣修正指導による降圧効果:一酸化窒素の生物学的利用能の関与の可能性 生活習慣修正指導による降圧効果とNO bioavailabilityの増加との関連を検討するため、地域の生活習慣病予防事業参加者132名を対象とし、12週間の生活習慣修正指導を実施した。運動指導は、最大酸素摂取量の50%の強度を1回1時間、週2回以上行った。NO bioavailabilityの指標である血漿中NT(Nitrotyrosine)の変化により対象者をNT減少群と不変ないし増加群の2群に分け解析した。 1)介入により収縮期血圧は両群とも低下したが、拡張期血圧はNT減少群でのみ低下を認めた。 2)ステップワイズ回帰分析の結果、降圧効果に対しNT減少群では、EC-SODの増加が独立した寄与因子であったが、NT不変ないし増加群では、最大酸素摂取量の増加が独立した寄与因子であった。 2.高齢者に対するステップ運動が動脈の伸展性の改善に及ぼす効果 高齢者に対し、ステップ運動を実施し、筋力トレーニングと有酸素トレーニングの効果が期待されるステップ運動が動脈伸展性の指標である脈波伝搬速度に及ぼす影響について解析した。 ステップ運動実施運動群(14名)と対照群(15名)を無作為に割り当て解析した。1回10分、1日30分を目標に各自自宅にて12週間実施し、週1回は運動群全員の集団指導を実施した。 1)運動群では、有意なbaPWV(上腕動脈-足首動脈間の脈波伝播速度)、血圧、BMI、LDLコレステロールの改善を認め、対照群においては血圧、HOMA指数の有意な改善を認めた。 2)介入が脈波伝搬速度に影響を及ぼす因子につき重回帰モデルによる解析の結果、運動群において、baPWVの改善にフィブリノーゲン変化率と尿中NOx変化率が有意に独立して寄与した。
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Research Products
(5 results)