2003 Fiscal Year Annual Research Report
子ども達の睡眠・覚醒リズムの乱れが集中力や情緒の安定に及ぼす影響
Project/Area Number |
15500507
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
神川 康子 富山大学, 教育学部, 教授 (50143839)
|
Keywords | 生活リズム / 児童・生徒 / 睡眠 / 心身状況 / 不登校 / 生活自己管理能力 / キレやすさ / 養護教諭 |
Research Abstract |
富山県内の小学校225校、中学校85校、高等学校57校全ての学校の養護教諭を対象に児童・生徒の心身状況についての意識調査を行った。調査は郵送による配布・回収を行ったにも関わらず、78.2%の回収率を得たことから、最近の児童・生徒の健康状態に関する関心の高さと懸念の強さが伺えた。調査結果の分析から次のような点が明らかとなった。(1)因子分析により養護教諭が最近の児童・生徒に懸念している点をまとめると「情緒不安定」「幼稚性」「体調不良」「生活リズムの乱れ」「疲労」「食生活」「情操の貧しさ」であった。(2)小、中、高校と発達段階とともに増加傾向が認められるのは「低体温」「生活の夜型化」「朝寝坊」「疲労」「自己中心的」「幼稚性」「体調が説明できない」「体力低下」「肩こり・腰痛」「保健室来室」であり、早い段階からの対処を必要とする項目である。(3)小学生に多かったのは「キレやすい」「しっかり噛まない」「姿勢が悪い」「肥満」であった。(4)中学生に多い項目は「不登校」「睡眠不足」「あくび」「情緒不安定」「自己中心的」「朝食欠食」「ファーストフード好き」「すぐ骨折」「視力低下」「外遊びしない」「理由なく気分が悪いと保健室に来る」であった。(5)養護教諭が指導必要と考える内容は「生活習慣の学習」「効果的な睡眠の取り方や重要性」「早寝・早起き」「生活時間の使い方」「睡眠環境の整え方」の順であり、特に科学的知識理解を家庭と学校が連携して指導すべきと考えていることがわかった。(6)睡眠習慣や生活リズムについての学習の機会は児童・生徒に8割、教職員には半数以下、保護者には学校段階が上がるにつれて漸次減少の傾向が見られた。
|
Research Products
(1 results)