2003 Fiscal Year Annual Research Report
衣類の溶剤洗浄を水系へ転換するための水系超音波洗浄システムの構築
Project/Area Number |
15500509
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
多賀谷 久子 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70024932)
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Keywords | 超音波洗浄 / 水 / 布 / 皮脂汚れ / 音圧 / 溶存酸素濃度 / キャビテーション |
Research Abstract |
衣類のドライクリーニング溶剤による環境問題から、溶剤洗浄を水系に替えていくことが緊急的課題となっている。衣類の溶剤洗浄を水系に転換することを目的として、布用の水系超音波洗浄装置を試作し、超音波の特性と洗浄性能について、国際標準汚染布を用いて研究し、基礎研究をほぼ終えた。その結果、超音波特性を有効に応用すれば、繊維に負荷を与えることなく、洗剤なしでも、高い洗浄効果を期待できることがわかった。水系超音波洗浄を衣類へ応用していくために、布からの汚れ除去に及ぼす超音波特性の的確な知見を得て、汚れと繊維に対する最適な水系超音波洗浄システムを構築することが必要である。 そこで、平成15年度は、14年度までの研究成果を基礎に、一般に除去が困難とされる「皮脂汚れ各種成分」と着色油性汚れ(Solvent Yellow 5)が水系での超音波の直進流、音圧、キャビテーション現象によって、親水性繊維(キュプラ)と疎水性繊維(ポリエステル)から、どのように除去されていくかを解明し、応用への基礎的知見を得た。 皮脂などの有機汚れの超音波による繊維からの除去においては、脱気水では音圧が増すと除去率も直線的に増加し、物理的作用が支配的である。一方、非脱気水では、キャビテーションに基づく水や溶存気体の分解物質による化学的作用が汚れ除去作用を支配することが明らかになった。これらの効果は、親水性繊維で顕著に観察された。これらの研究成果は、繊維学会次大会(2003年6月)、日本油化学会、第35洗浄に関するシンポジウム(2003年10月)などで発表した。
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