2004 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚に優しい衣服のための基礎研究-培養皮膚を用いた衣服の安全性確認-
Project/Area Number |
15500512
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
内田 恵美子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (10086019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筏 義人 鈴鹿医療科学大学, 医用工学部, 教授 (00025909)
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Keywords | 被服の安全性 / 三次元皮膚モデル / 皮膚刺激物質 / 接触皮膚障害 / 安全性確認手法 |
Research Abstract |
現在、衣料上の化学物質(反応染料、仕上げ加工剤、残留洗剤など)が原因となる接触皮膚炎が多く発症しており、なかには職業病として認定されているものもある。しかし、これまで繊維の接触皮膚障害に関する基礎研究はほとんど行われていない。そこで、細胞培養技術の進歩によって作り出された正常ヒト細胞を用いた3次元培養皮膚モデルを用いて、(1)衣料品に関わる接触皮膚障害原因物質のヒト皮膚への反応に関する詳細なデータの蓄積を計り、(2)皮膚刺激性物質と皮膚障害の関係を明らかにすることで、衣料における安全性確認の手法を確立することを目的として研究を行ってきた。現在、培養皮膚を用いた皮膚一刺激性試験法のJIS化が進んでいる。その方法に準じて、昨年までは親水性あるいは両親媒性の刺激物を対象にして研究を行ってきた。 今年度は皮膚毒性が知られている残留ドライクリーニング溶剤による皮膚刺激性を同様の手法で検討した。用いた布素材の種類を変えた実験では溶剤を含ませる素材により差は見られたが、はっきりとした、刺激性を評価することはできなかった。この原因は、実際の皮膚では皮膚表面には汗成分と同様に遊離脂肪酸やスクワレンなどの親油性物質が存在しており、ドライクリーニング溶剤との親和性が高いと考えられるが、今回用いた皮膚モデルでは油性成分は存在しないので、これまでの手法では、溶剤と皮膚モデルとの親和性が劣り、刺激物質が繊維から皮膚に移行しにくかったことが考えられる。そこで、今後は、より人間の皮膚表面状態に近いモデルを作り出すために、人口汗の成分を考慮し、親水性および疎水性刺激物でもその刺激性が評価できる評価法の確立に向けて、研究を続けたいと考えている。
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Research Products
(2 results)