2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500522
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
下村 久美子 昭和女子大学, 生活科学部, 助教授 (80162816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小ノ澤 治子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (10054149)
小見山 二郎 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (60016574)
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Keywords | 水晶振動子 / 固体脂肪汚れ / リパーゼ / 界面活性剤 / 膨潤作用 / 洗浄 / 共振周波数 / 吸着 |
Research Abstract |
本研究は、洗浄機構解明の研究の一環として、水中での微小な重量変化を経時的に測定できる水晶振動子法を用い、汚れモデルが繊維表面モデルから除去する過程を明らかにすることを目的とする。 水晶振動子法は、水晶振動子の電極表面に付着した基質の脱離状態を、共振周波数の変化から重量変化として経時的に測定できる方法である。特に、水中での重量変化をナノグラムオーダーで測定できることから、この方法を洗浄系での固体汚れの除去のモデル的実験に利用することを試みてきた。昨年度は、固体脂肪汚れの酸化剤の効果について報告した。 今年度は、固体脂肪汚れに対する酵素の効果を明らかにするために、水晶振動子に脂肪汚れモデルとしてトリミリスチン(TM)とラードを付着し、バッファ中での酵素および界面活性剤が共存した場合の除去過程を追跡し、以下の結果を得た。 (1)バッファの種類によるリパーゼの効果の変化を確認し、バッファの種類により酵素の脂肪の加水分解の効果が異なることがわかった。(2)リパーゼによる固体脂肪汚れモデルのTM、ラードの除去過程は、リパーゼが固体脂肪汚れにゆっくり吸着され、その後、徐々に固体脂肪が除去される過程であることがわかった。(3)界面活性剤とリパーゼが共存する場合の固体脂肪汚れの除去過程を、陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤共存系において実験し、陰イオン界面活性剤の場合は添加濃度がcmc以下の低い濃度の場合に、除去効果が上昇したが、非イオン界面活性剤の場合は、cmc以上で活性剤濃度が高いほどリパーゼの効果が高くなることが認められた。
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