2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500527
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
牛田 智 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (40176657)
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Keywords | 天然染料 / 藍 / インジゴ / インジルビン / サカティンタ / タデアイ / 生葉 / 染色 |
Research Abstract |
藍染めの方法としては、通常行われる建て染め以外に、藍植物の新鮮な生葉を用い、藍の生葉に含まれるインジカンの加水分解物であるインドキシルの酸化によって繊維内部でインジゴを生成させることで染色する、生葉染めがある。この方法においてインジカンは葉に含まれる酵素で分解されるが、インジカンは配糖体であるので、酸でも容易に分解できる。その際、生成したインドキシルから、酸性条件下ではインジゴだけでなくインジルビンが生成する。このことは、生葉染めによって紫色を染色できる応用につながることから、酸性条件でのインジカンの分解および生成したインドキシルの酸化を詳細に検討した。その結果、インジルビンが多く生成する条件およびインジルビンを染色する条件および方法が明らかとなった。 藍植物としてよく用いられるタデ科やマメ科の植物とは別に、中米ではサカティンタという植物が青を染めるのに利用されている。インジゴを生成する含藍植物であるという文献や認識も存在するが、実際にはインジゴは生成しない。しかしながら、生葉を粉砕することで、鮮やかな紫色の溶液が得られ、青を染色することができる。そこで、この植物から得られる色素の特徴と染色挙動について検討した。その結果、無色の生葉液から生じるこの色素の色は、アルカリには安定であるが、酸によって変化した。密閉された状態で、溶液の色は消失し空気によって復色した。このことは、この色素が葉の中に含まれる何らかの還元作用を持つ物質によって還元されていることを示している。しかしながら生葉の中に含まれる無色の色素前駆体は、この色素の還元体ではないことがわかった。
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Research Products
(4 results)