2004 Fiscal Year Annual Research Report
家庭外で調理された食品の利用が味覚や嗜好のありかたに及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
15500533
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
川嶋 かほる 埼玉大学, 教育学部, 教授 (00114207)
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Keywords | 市販調理ずみ食品 / 味覚 / 味嗜好 / 中食 / 塩味 / うま味 / 糖分 / 官能検査 |
Research Abstract |
最近では、外食や中食などのかたちで、さまざまな調理ずみ食品、半調理ずみ食品が日常食の一端として広く使われるようになっている。これらの家庭外で調理された食品については、栄養バランスの悪さや添加物の多使用とともに、呈味の画一化と濃厚化が問題点として指摘されている。本研究は、家庭外で調理された食品の呈味の実態を化学分析を通して明らかにする一方、これら食品の利用の実態と意識を調査紙調査により、またこれら食品への嗜好・味覚をを官能検査によって調査し、これらの実態を把握するとともに、食生活のありかたと味覚・嗜好の現状の関連をみることを目的とするものである。 今年度は、主菜として利用される総菜類と汁ものを主な試料に選び、それぞれ市販の調理ずみ食品・半調理ずみ食品、および手作り品について、その呈味の特徴を明らかにするために、塩分濃度、糖度、グルタミン酸量の分析を行なった。 1:総菜類 利用の多いもので、販売形態が多様なもの、また調理法や調味のバラエティを考慮して、酢豚、肉団子、肉じゃが、`ハンバーグ、鶏から揚げ、サバみそ煮、おでんを試料とした。 一般に、手作り品に比較して市販調理ずみ食品では塩分が高く、グルタミン酸量が多かった。糖度は製品によって差が大きいが、市販品で高い傾向にあった。 2:汁もの 各種のみそ汁、スープ類を分析した。市販品では汁ものの標準塩分濃度0.8%をはるかにこえる高塩分濃度のものが多く、グルタミン酸量も糖分も手作り品より高濃度であった。みそ汁では、塩分の高いものはグルタミン酸量も高いという関連がみられた。スープ類の呈味は、その種類によって変化が大きく、とくに糖度で差が大きかった。 3:利用意識 市販調理ずみ総菜は、夕食で多く利用されていた。味に対しては不満足とする回答が多かった。インスタントの汁ものはもっばら利便性を重視して利用されており、味には満足感が高い結果であった。
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