2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500534
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
酒井 昇 東京海洋大学(東京水産大学), 海洋食品科学科, 助教授 (20134009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 学 東京海洋大学(東京水産大学), 海洋科学部, 助手 (30277850)
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Keywords | マイクロ波加熱 / 誘電特性 / 温度分布解析 / 加熱むら / シミュレータ / マイクロ波加熱用模擬食品 |
Research Abstract |
現在,冷凍食品が飛躍的に増加しているが,その多くは電子レンジ(マイクロ波)で解凍するものが多く,解凍の際の加熱むらが問題となっている.また,電子レンジを使って加熱調理する場合にも,食品の塩分濃度などによって加熱性が異なるため,加熱むらが発生する.本研究においては、この加熱むら発生の抑制を目的として、食品をマイクロ波加熱したときの温度分布を予測するためのシミュレータを開発する。開発に当たって、マイクロ波加熱実験が必要となるが、実験試料として、一般の食材を用いた場合、季節や個体差によって食品の加熱されやすさ(誘電特性)が変化するので、マイクロ波加熱用模擬食品が開発できれば、極めて有用である。そこで、任煮の誘電特性を持つモデル食品の開発についてまず検討を行った。 モデル食品としては、1%寒天をベースに庶糖およびNaClを添加することにより誘電特性を変化させることを試みた。その結果、庶糖の添加は主に誘電率を、NaClの添加は主に誘電損率を変化させることがわかった。このことを利用して、庶糖濃度とNaCl濃度を適宜に組み合わせることにより任意の誘電特性を持つ模擬食品を作ることができることを示した。この内容については、J.Food Eng.に投稿中である。 次に、シミュレータの基礎となる数学モデルについて検討を行った。従来の数学モデルにおいては、四角形や円筒形など特定の形状に限定されたものであったが、実際の食品は種々の形をとる。そこで、不定形状でも内部温度分布が求められるように、数学モデルを開発した。例として、板付きかまぼこを想定した半円形の試料について、内部温度分布の測定と数値計算を行った。その結果、両者は良好に一致し、本数学モデルにより、不定形な食品についても温度分布の予測が可能であることを示した。この内容については、現在、投稿準備中である。
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