2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500534
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
酒井 昇 東京海洋大学, 海洋科学部・海洋食品科学科, 教授 (20134009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 学 東京海洋大学, 海洋科学部・海洋食品科学科, 助手 (30277850)
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Keywords | マイクロ波加熱 / 誘電特性 / 温度分布解析 / 加熱むら / シミュレータ / マイクロ波加熱用模擬食品 |
Research Abstract |
現在,冷凍食品が飛躍的に増加しているが,その多くは電子レンジ(マイクロ波)で解凍するものが多く,解凍の際の加熱むらが問題となっている.また,電子レンジを使って加熱調理する場合にも,食品の塩分濃度などによって加熱性が異なるため,加熱むらが発生する.本研究においては、この加熱むら発生の抑制を目的として、食品をマイクロ波加熱したときの温度分布を予測するためのシミュレータを開発する。 平成15年度においては、任煮の誘電特性を持つモデル食品の開発、および四角形や円筒形など特定形状以外の不定形状でも内部温度分布が求められるように、数学モデルを開発した。 平成16年度においては、15年度の結果をふまえて以下のことを行った。まず、15年度に開発した数学モデルは、0℃以上の加熱・調理を想定したもので、解凍過程は考慮されていない。加熱と解凍の大きな違いは、凍結点近傍において比熱や熱伝導率の物性値が大きく変化することと、融解持に潜熱を発生することである。本研究においては、見かけ比熱モデルを用いて数学モデルの開発を行った。見かけ比熱モデルは、凍結層と融解層を考慮する必要がなく、一般的な熱伝導方程式を用いることができる。また、温度依存性を持つ物性値の推定にはHayakawaらの推算式を用いた。 次に、この数学モデルを用いてシミュレータの開発を行った。シミュレータはパソコン画面上で、(1)形状(円形、半円形、長方形、擬楕円形)、(2)メッシュを作成するための座標データ、(3)解凍過程有無の情報、(4)各要素毎の誘電特性、(5)熱物性値を指定することにより、計算に必要なデータファイルを作成し、そのデータファイルを用いて温度分布を計算するものである。 このシミュレータによる計算結果と模擬食品を解凍したときの実測値を比較したところ、良好に一致したことから本シミュレータが有効であることを確認した。
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Research Products
(2 results)