2003 Fiscal Year Annual Research Report
加熱調理が野菜中の機能性含硫成分に及ぼす影響の化学的解析研究
Project/Area Number |
15500535
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
森光 康次郎 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (00244533)
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Keywords | 解毒酵素誘導 / アブラナ科野菜 / ネギ属野菜 / 加熱調理 / 機能性含硫成分 / ニンニク / トリスルフィド |
Research Abstract |
2つの生理機能評価系を指標として、ネギ属及びアブラナ科野菜中の含硫成分について加熱条件下で機能性が大きく変化するものを検索した。変化が大きいものについては、その原因(成分)を追求した。サンプルの調製法としては、各野菜単独で「ゆで」・「ホットプレート加熱」の処理をし、その後、定法に従いジクロロメタン抽出物を調製した。また、用いた生理機能性の評価系としては、ラット肝細胞由来のRL34細胞を用いた第二相解毒酵素:GST(グルタチン-S-トランスフェラーゼ)の誘導活性と、ヒト血小板凝集阻害活性を測定した。 1.ネギ属野菜の加熱調理・非加熱サンプル抽出物についての生理機能比較 加熱調理操作に伴い、入手可能な24種類のアブラナ科野菜の抽出物はどれも2つの生理機能性の活性が著しく低下した。それに比べて、6種類のネギ属野菜の抽出物は、ヒト血小板凝集阻害活性でも大きく活性が落ちることはなかったが減少傾向を示したのに対し、GST誘導活性では加熱温度を高温(200℃)まで処理すると、より高温の抽出物の誘導活性の方が強くなった。加熱ニンニクで特に強い誘導活性が認められたので、市販品のニンニク(生、ねり、チップ、揚げ)を数社分購入し、ジクロロメタン抽出物を調製し、同じくGST誘導活性を測定した。揚げニンニク>ニンニクチップ(加熱乾燥ニンニク)>>ねり>>生の順で誘導活性が強かった。 2.ニンニクの加熱調理で変化する機能性含硫成分について 本年度の設備購入品:HPLC(高速液体クロマト分析装置)とGC(ガスクロマト分析装置)を用いて、加熱ニンニク中のスルフィド類、チオールスルフィネート類を中心に分析を行った。大きく変化したのは、ジアリルトリスルフィド(DATS)であり、加熱時間や温度により、その含有量が著しく増加する傾向を掴んだ。DATSを化学合成し、GST誘導活性を調べたところ強い誘導活性を認めた。
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Research Products
(2 results)