2004 Fiscal Year Annual Research Report
緑黄色野菜類の調理形態が血中機能性成分濃度に及ぼす影響
Project/Area Number |
15500537
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
竹井 瑤子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30017248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 豊子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (90047308)
井奥 加奈 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (40243282)
甲田 勝康 関西医科大学, 医学部, 講師 (60273182)
|
Keywords | フラボノイド / 緑黄色野菜 / 食事摂取量 / 血中ケルセチン濃度 |
Research Abstract |
前年度から今年度にかけて、野菜試料中に含まれるフラボノイド量が血中ケルセチン(Quer)濃度(アグリコン相当量)に及ぼす影響について中高年女性(一般食者・菜食者)を対象として検討した。前年度に同じ野菜から調製されたジュース、ペースト、お浸しにて単回投与実験を行い、投与前日の食事調査とともに今年度にかけて解析を進めた。一般食者にはペーストとお浸しを、菜食者にはペーストとジュースを提供した。 一般食者において、野菜ペースト(Quer相当量7.69mg/食)を摂取することで摂取2時間後の血中Quer濃度の平均値は0.189μmol/L→0.227μmol/Lに、お浸し(Quer相当量10.17mg/食)では0.149μmol/L→0.230μmol/Lになった。菜食者においては、野菜ペースト摂取で0.619μmol/L→1.01μmol/L、野菜ジュース(Quer相当量7.36mg/食)摂取で1.182μmol/L→1.346μmol/Lであった。菜食者は45日問の菜食実践後に投与実験を実施したことから試験食摂取前の血中Quer濃度が高かったと推察された。変化率でみると、個人差が大きかったが、ジュース摂食者(菜食者)19名の平均値が262%で最も高く、以下ペースト(菜食者17名)178%、お浸し(一般食者、15名)173%、ペースト(一般食者、18名)となった。これよりジュースはペーストと同程度のケルセチン含有量であるにもかかわらず血中濃度上昇率が一番良いことが判明した。これは、細胞膜の破砕・不溶性繊維の除去によって化合物が吸収しやすくなっていると考えられた。また、一般的にジュースの方が機能性成分の吸収が良いと考えられているが、本実験により実証された。 現在、野菜に含まれるフラボノイド含有量を配糖体、グルコース配糖体、アグリコン相当量と3種類に分類する分析方法を検討中である。
|