2004 Fiscal Year Annual Research Report
野菜・果実の加熱調理によるフラボノイド含有量の変化
Project/Area Number |
15500542
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
望月 てる代 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90116682)
|
Keywords | フラボノイド / 高速液体クロマトグラフィー / 柑橘類 / ダイオードアレイ検出器 / 野菜 |
Research Abstract |
1.目的:食事から摂取されるフラボノイド量を求めるためには,日常食される野菜・果実中のフラボノイド含有量のデータが必要である。そこで,良く摂取される野菜・果実中のフラボノイド含有量の測定を行うこととした。 2.方法:野菜・果実の可食部分を試料とし,80%メタノールで2回フラボノイドの抽出を行い,Sep-PakC_<18>カートリッジによる処理後,100%メタノール溶出部分をフラボノイド抽出液とした。抽出液は塩酸による加水分解後,Sep-Pak C_<18>カートリッジによる処理,塩酸除去のための水洗後,100%メタノール溶出部分を分析用試料液とした。分析は高速液体クロマトグラフ日立L-7100,カラムWakosil-II5C18RS(和光φ4.6×250mm)を用いて行った。移動相はA蒸留水(0.5%酢酸を含む):メタノール(70:30),B蒸留水(0.5%酢酸を含む):アセトニトリル(70:30),C蒸留水(0.5%酢酸を含む):アセトニトリル(50:50)を使用し,グラディエントで行った。検出はダイオードアレイ検出器で254nm,280nmの波長で行った。 3.結果:今回は果実として柑橘類を使用した。総フラボノイド量(mg/可食部100g)は,オレンジ106.5,グレープフルーツ(ホワイト)39.5,温州ミカン52.0,紅はっさく37.7,ネーブル135.3であった。柑橘類中のフラボノイドとして,ナリンゲニンとヘスペレチンが多く含まれ,いずれの果実においてもこの2種類で90%以上を占めていた。野菜中の総フラボノイド量(mg/可食部100g)は,チンゲンサイ9.3,小松菜6.1,ニラ40.3,青ネギ24.9であった。フラボノイドとしては、いずれもケンフェロールが多く含まれていた。小松菜では茹でた後,総フラボノイド量は半分以下に減少した。
|