2005 Fiscal Year Annual Research Report
正しい食習慣の確立のための食行動変容要因に関する研究
Project/Area Number |
15500546
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
早川 史子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (30074066)
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Keywords | 緑茶 / 食行動 / 飲用頻度 / 飲食物調査 / 高校生 / 沖縄県 / 滋賀県 |
Research Abstract |
食行動はその時代の社会背景の影響を受けやすい。日本は世界一の長寿国であり、中でも沖縄の長寿を支えたのは沖縄独特の食文化であるとされてきた。しかし沖縄の男性の寿命は平成7年には5位であったが、平成12年には26位にまで落ち込んだが、その原因のひとつとして食生活の地域性が希薄になり、多種多様の飲食物を自由に選択できる時代であることがあげられる。本研究では2005年5月から7月に沖縄県の高校生(591人)を対象に飲食物調査を実施し、滋賀県の高校生(1521人)との比較を行い、両者間の共通点、相違点を検討した。 沖縄と滋賀のPFC比率には差が認められなかった。沖縄で緑黄色野菜、豆類、海藻類、鉄、レチノール当量、ビタミンB1の摂取量は高く、滋賀との間に有意差が認められた。また、料理法では炒め物が多く、沖縄の食文化が継承されていた。一方、飲み物では滋賀県では麦茶の飲用頻度が高いのに対して、沖縄では水、ペットボトルの緑茶、ジュースの飲用頻度が高かった。また、コーヒーに対する嗜好性が低かったことも特徴的であった。さんぴん茶の飲用頻度が高かった沖縄であるが、高校生では緑茶をよく飲み、また、緑茶に対する嗜好性においても団欒の飲み物としての意識も滋賀と同程度であった。沖縄は緑茶の飲用の歴史は滋賀県に比べると遅かったが、高校生における緑茶の飲用率は高かったことから、沖縄における年齢階層別の飲み物の飲用状態を把握することによって食行動の変容の要因を追及する必要があろう。
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Research Products
(3 results)