2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500549
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
渕上 倫子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60079241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 あい 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (50275369)
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Keywords | 高圧力 / 冷凍 / 圧力移動凍結 / 高圧氷 / 解凍 / カラギーナン / ローカストビーンガム / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
高圧力下でのショ糖、食塩水溶液の凍結・解凍挙動 蒸留水、5%、10%ショ糖溶液、1%食塩溶液は-20℃、0.1MPa、100MPa、600〜686MPaで加圧中に凍結した。20%ショ糖溶液は100MPaで加圧中は過冷却し圧力解除時に凍結した。また、200〜500MPaでは、全ての試料が圧力保持中は過冷却を保ち、圧力解除時に急速凍結した。しかし、凍結点は溶媒濃度だけでなく室温にも大きく影響された。融解点は室温等の環境に影響されることは少なく、蒸留水の融解点は、既知の水と氷の相図の融解曲線上にプロットされた。0.1〜686MPa全ての圧力下で、溶液のショ糖や食塩濃度が高くなるにつれ融解温度は低下した。最も融解点が低くかったのは、5%食塩溶液であった。400〜600MPaでは融解点の判別が難しく、溶質添加による融解点降下の割合は理論値よりも低めに見積られた。また、三重点の温度もショ糖や食塩の添加により低下した。 高圧力下で冷凍したκ-カラギーナン・ローカストビーンガム混合ゲルの物性と微細構造 κカラギーナンおよび、κカラギーナンにローカストビーンガムを添加した混合ゲルの冷凍耐性を比較検討した。κ-カラギーナン・ローカストビーンガム混合ゲルは、κ-カラギーナン単独ゲルに比べ歪率の大きい弾力性のあるゲルとなった。両ゲルとも、-20℃、200〜400MPaで圧力移動凍結すると、比較的良好な製品が出来た。しかし、単独ゲルでは他の圧力に比べ比較的小さいが細長い氷結晶がみられ、破断歪率の増大は抑えられたものの軟化は著しかった。一方、混合ゲルの氷結晶は丸みを帯びて細かく、ゲルの軟化も抑えられた。すなわち、κ-カラギーナンゲルはローカストビーンガム添加により冷凍耐性が向上することが明らかになった。
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[Publications] Fuchigami, M., Teramoto, A.: "Changes in temperature and structure of agar gel as affected by sucrose during high-pressure-freezing"Journal of Food Science. 68. 523-533 (2003)
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[Publications] Fuchigami, M., Teramoto, A.: "Texture and structure of high-pressure-frozen gellan gum gel"Food Hydrocolloids. 17. 895-899 (2003)
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[Publications] Fuchigami, M., Teramoto, A.: "Textural and structural quality of pressure-shift-frozen agar gel as affected by trehalose"ICEF9 2004, International Conference Engineering and Food, Proceeding. (CD-ROM版). 212-217 (2004)