2004 Fiscal Year Annual Research Report
食生活による骨粗鬆症予防の新しいとりくみ-植物イソプレノイドの新規機能の開発-
Project/Area Number |
15500560
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Research Institution | Nakamura Gakuen University |
Principal Investigator |
津田 博子 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (30180003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 慶子 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (30069786)
高柳 涼一 九州大学, 大学院・医学研究院・老年医学, 教授 (30154917)
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Keywords | 食生活 / 骨粗鬆症 / 植物イソプレノイド |
Research Abstract |
骨粗鬆症の食生活指導は従来からカルシウム代謝の改善を中心に行われてきたが、食物中には骨粗鬆症予防に有用な未知の成分が存在することが予想される。植物イソプレノイドは、動物のメバロン酸経路を阻害してコレステロール合成を抑制するだけでなく、細胞の増殖と分化に影響を及ぼして抗腫瘍作用を示すことが知られている。高脂血症治療薬スタチンは、植物イソプレノイドと同様にメバロン酸経路阻害によりコレステロール低下作用を示すが、近年、骨芽細胞の分化を促進して骨形成を促進することが報告された。そこで、本研究では、食生活による骨粗鬆症予防に植物性食品の摂取という新たな視点を加えることを目的とし、植物イソプレノイドの骨形成促進作用に焦点をあてて検討した。今年度の研究によって得られた成果は、以下のとおりである。 (1)基礎研究 ヒト株化骨芽細胞を用いた検討では、モノテルペンのperillyl alcohol、perillic acid、geraniolが、alkaline phosphatase、BMP-2、osteoprotegerinなどの骨分化マーカーの発現をmRNAレベルで増加させることを見出した。また、代表的な続発性骨粗鬆症であるステロイド骨粗鬆症への植物イソプレノイドの効果の基礎検討として、骨芽細胞に対するグルココルチコイドの作用を検討した。その結果、グルココルチコイドがWnt signal伝達経路の調節分子Dickkopfの発現を増加させることにより、骨形成を抑制することが示唆された。 成長期ラットを用いた骨量増加作用の解析では、現在植物イソプレノイドの影響を検討中である。 (2)臨床研究 閉経期女性を対象として成長期および現在のライフスタイルと骨密度、骨吸収マーカーとの関連を検討した結果、現在の食生活、特に欠食の有無、肉類、種実類摂取が有意な予測因子となることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)