2004 Fiscal Year Annual Research Report
昭和16年と現在の聞き取り調査の比較による長野県6農村の食文化の変化
Project/Area Number |
15500564
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
中澤 弥子 長野県短期大学, 生活科学科, 助教授 (50320932)
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Keywords | 食文化 / 長野 / 農村 / 聞き取り調査 |
Research Abstract |
昭和16年に行われた食文化に関する民俗学的調査(成城大学民俗学研究所編、『日本の食文化』正編1990及び補遺編1995、岩崎美術社)では、長野県内の6地域が調査対象となっており、その内、まだ調査を行っていない3地域(東筑摩郡麻績村、諏訪郡下諏訪町高木、北安曇郡小谷村北小谷)を対象に文献調査および聞き取り調査を行った。聞き取り調査の対象は以下のとおりである。 東筑摩郡麻績村:同村出身または同村内に嫁いで30年以上経過している10名。麻績村内の村おこしグループにも情報収集を行った。 諏訪郡下諏訪町高木:同町高木出身または同地区に嫁いで30年以上経過している7名。下諏訪町内にある下諏訪町歴史民俗資料館および諏訪湖博物館・赤彦記念館長からも情報収集を行った。 北安曇郡小谷村北小谷:北小谷出身または村内に嫁いで30年以上の9名。村役場勤務の栄養士および村内の村おこしグループにも情報収集を行った。 6地域ともに共通してみられたことは、「自給自足から現金で購入するスタイルへ」という変化の流れであり、1、共同作業の必要性が低下し、また労働が忙しくなり共同作業の時間を取れなくなってきたこともあり、共同作業が衰退して、伝統的な食の伝習の機会が失われつつあり、若い世代では自分で作るよりは買って済ますというスタイルが拡大する結果となっている、2、調査対象世代では自家用野菜の栽培や漬物作りといった昔ながらの「自給自足スタイル」は比較的よく保たれているのであるが、これは生活上の必要から行われているというよりはむしろ楽しみとして行われており、やる人とやらない人とに分化してきている、3、その他、婚姻や移住などによる他地域からの影響、学校給食、全国のものが手に入るスーパーの出店、テレビなどメディアからの情報の影響などが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)