2003 Fiscal Year Annual Research Report
田舎の子どもの肥満と食生活および身体活動量(車通学をしている農村地域による調査)
Project/Area Number |
15500568
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Research Institution | Kobe Women's Junior College |
Principal Investigator |
糸井 亜弥 神戸女子短期大学, 総合生活学科, 助手 (40333265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 武利 神戸女子短期大学, 学長・教授 (30079694)
木村 みさか 京都府立医科大学, 医学部看護学科, 教授 (90150573)
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Keywords | 田舎 / 子ども / 肥満 / 食生活 / 身体活動量 |
Research Abstract |
生活習慣病予防に最も有効な対策は子どもの頃からの望ましい運動習慣や食生活の形成である。ところが、既にリスクファクターをもつ年齢層が低年齢化し、子どもの生活習慣病として、その増加が報告されている。成人には食事や運動について目標値が設定されているが、子どもたちには具体的な目標値は設定されていない。特に子どもたちを対象に食生活と身体活動量を同時に調査した研究は殆ど見当たらない。 このような背景に基づき、子どもたちの活動量と栄養摂取の実態を知る目的で、過疎化の進む農村地帯の児童(宮城県一迫町立N小学校4〜6年生:44名)を対象に、秋期7日間に(1)体格;身長、体重を計測(2)生活時間;主な行動を分単位で調査粟に記入(3)身体活動量:加速度装置付き歩数計を用い、歩数、総消費熱量、運動消費熱量を測定(4)栄養摂取量:調査期間中の3日間(平日2日間・休日1日)を調査票に記入 について調査を行い、結果を検討した。 1)肥満児の割合は全国平均を上回り、最も多く時間を費やしているのはTV、次にスポーツ活動であった。 2)通学は自家用車送迎が多く、徒歩通学時間は往復12分(対象者で4分)であった。 3)歩数平均は男子14026歩、女子10813歩、休日歩数は平日の約6割に減少していた。 4)生活活動強度指数と歩数の間に有意な高い相関(r=0.886、p<0.001)が認められ、生活活動強度指数IIの活動量を得るには13345歩、IIIでは21561歩の歩数が必要と推定された。 5)食生活では鉄、カルシウムの著しい不足や食塩の過剰が見られ、肉類は多いが野菜類、穀芋類の少ない内容であった。 6)肥満児は標準体型児に比べ、スポーツ参加率が低かった。 以上より、現在では農村地域の小学生においても適度な活動量を確保することは難しく、食生活にも問題があることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 木村みさか, 糸井亜弥 他: "女子学生の活動量と栄養摂取に関する調査(第1報:平成13年度看護系大学入学生における調査結果)"京都府立医科大学看護学科紀要. 第12巻 2号. 83-89 (2003)
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[Publications] 糸井亜弥, 田中靖人, 木村みさか: "農村地域の小学校高学年児童における活動量と栄養摂取に関する調査"学校保健研究. 第45巻 5号. 454-464 (2003)