2004 Fiscal Year Annual Research Report
数学的モデリングを核とした科学教育カリキュラムに関する実証的な研究
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15500573
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大澤 弘典 山形大学, 教育学部, 助教授 (10343071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 幾太郎 山形大学, 教育学部, 教授 (20166391)
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Keywords | モデリング / 数学の応用 |
Research Abstract |
本研究は,数学の応用,モデリングといった視座からの実践的な研究であり,とりわけ中学校の数学の授業のあり方に焦点をしぼり研究を推進している。これまで授業で取り扱いが困難であるとされた題材の教材化を目指し,現実世界における問題を積極的に取り扱うべく試行している。また,研究の方法としては,いわゆるアクションリサーチを採用している。実際の授業研究に対して,研究者として単に参与観察の立場に留まらず,指導者(授業者)として授業の構想や展開に直接的に深く関わる方法を採用している。本研究の本年度の主たる成果は,日本数学教育学会等で論文として発表している。具体的には,本研究を通し次のような成果(1)〜(3)を得た。 (1)デジタル情報に関わる新教材の開発 デジタル情報について,情報の共有性,安全性・認証性,効率性,訂正・復元性といった各観点に注視し,中学校数学における新たな教材を開発した。 (2)グラフ電卓の回帰機能を利用した授業の構想と実施 鶏卵の重量が経過時間に伴って1次関数的に減少するという現象を捉え,グラフ電卓の回帰機能を利用し採卵時の重量を推定する活動を1次関数の授業例として提出した。 (3)認知的葛藤の視座からのモデリング過程の捉え モデリング過程を学習者の心理的な立場から捉え直した。学習者が保有する経験や素朴な実感と解決場面における客観的事実とのギャップに着目し,それらのギャップを積極的に捉えることで,モデリングの授業がより有機的なものになりうるとの知見を得た。
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Research Products
(5 results)